第2話黒斑病

 父は企業の力を国と合同で復興を開始した。

 父の企業は昔遊園地や大きな建物乎作る建設企業だと聞いていたが大きな会社だとは思ってなかった。

 父に負けじとと母は未だに病院にいる。

「お父さんって実はすごかったんだね」

 カレーのおかわりをよそういつつ父を褒める

「そうか?父さんがすごいんじゃなくて皆がすごいんだ。」

 父は鼻の下を伸ばしてスプーンでカツカツとカレーを食べる。

 「お母さんの退院できたらいいね」

 「あぁ昨日の会ったときは元気だったぞ父さんは久しぶりにげんこつをもらった」

 お父さんは笑いながらカレーをかきこむ

 久しぶりに父と会話をしてご飯を食べためちゃくちゃ恥ずかしかったけど学校での話や勉強の話も父には父さん譲りでやっぱり勉強は駄目だなと笑われてしまった。

 朝起きると父は顔色を青くして電話をしていた。

相手はすぐわかった。

 電話が切れると父はケータイを投げ捨てて鞄を持って家を飛び出だした。靴を履かず車に乗って走り出した。

 父はそれから一週間連絡はなかった。

 父が来るまで帰ってきて飛び出した理由を夕食時に話した。

「最近母さんの右のほっぺに黒い斑点が出てきた」

「斑点?」

「あぁ、そばかすみたいに黒い点が出てきてそれだけでは良かったのだが斑点が出てから2日後に高熱を出して今も寝ている。世界中で流行っている病だそうだ」

 世界中で顔とは限らないが体の何処かに黒い斑点ができ高熱が出るそうだ。対処法は現在はなく早くて一週間で死に至る。現在世界中でたくさんの方がかかっているらしく災害にあってない国でもひろまっていた。

 次の日の朝、千里は隣の学校の才華女子高等学校が綺麗に残っており合同で授業が再開しているため朝食を食べて学校へ行った。

 千里は災害時制服を着ていたため綺麗に洗濯をして使っているが災害で制服を失った人は私服での登校だ。

「千里!おはよう」

 後ろから千里の肩をぽんと叩き横に並んだ。

「あっ、水樹おはよう」

「もぅ、瑠璃でしょ。」

「あははは…」

 最近、千里はゲーム友達の水樹と一緒に学校に投稿している。

 学校は入ると何処も絨毯が敷かれて綺羅びやかに輝いていてとてもなれない。

 授業はタブレットを使った授業で教師の説明も上手でとても面白かった。

 そんな暮らしをしていると晩に母の容態が悪化したとの連絡があり父と病院へ向かった。

 黒の斑点は全身に回って呼吸も上手くできす苦しんでいるが成すすべがない。世界中の人間が斑点が出ると病院に隔離されて苦しみなくなっていく。

 「あ母さん、お母さん」

 父と二人で母の手を握り声をかけ続けた。

 医師も最善の手を尽くしたが原因も対策もわからずお手上げ状態。

 時刻は日をまたぎ午前2時頃母は息を引き取った。

 黒斑点の感染で亡くなった者は原因解明のため医師から医療協力のため解剖して綺麗なた状態で黒斑病でなくなった方と複数人で天へいき、その3日後に渡瀬のおばあちゃんが瓦礫に足を引っ掛けて頭をうち亡くなってしまった。

 

 それから3ヶ月達ロケット制作会社がタッグとなって機密里に制作されていたコロニー移住計画がテレビや雑誌で大きく広告された。

 一つのコロニーに収容可能性人数が3億人収容可能でお金を払えば人種問わず入場可能という。

「お父さん世界ってすごいねこんなんで宇宙で住めるんだね」

 「あぁ、世界各国協力の元できているらしい地球は核汚染されて住める土地を減らしたかな。」

「お父さんは行くの?」

「あぁ、乗って会社を建て直さないとなぁもちろん千里のも出すよお母さんも連れて行こう」

 お父さんはコーヒーを飲んで仕事に出かけた。

 本日は学校がお休みで久しぶりにのんびりできる一日であった。

 いつもなら被災してまだ家のない方々等に配給をする登板がまわされるがたまたまその休日と合致したのだ。

 街は復旧して入っているが外に行っても商店やゲームセンターなどは営業していない。

 家が倒壊時に物はぐしゃぐしゃになり全て捨ててしまったため娯楽が無い。ケータイをいじり続けるのもベットでゴロゴロも3日程度は我慢できたが飽きてしまった

 最近料理を始めたのだが火をかけているのを忘れて別の作業に熱中してしまい火事になりかけて久しぶりにというか始めて父に怒られた。

 あれは怒るのに入るのか父は大泣きで抱きついてきた。

 夜になると父は帰ってきた。朝はスキップして会社に向ったのに夜は痩せこけたた表情で帰ってきた。

「お父さんおかえり!どうしたの仕事うまくいかなかった?」

 前回は仕事の失敗で抱きついてきた大泣きをしていて頭を撫でて落ち着いた。あれ?火事未遂のときと同じではと思ったが忘れよう。

 父は椅子に座り頭を抱えた。

「千里すまない…お父さんも黒斑病だ…」

 涙を流しながら父は言った。


「えっでも、お父さんの顔には斑点がないよ!」

 父は立ち上がり背中を向けYシャツをめくると斑点はあった。

 数日前に世界の医学団体が黒斑病は感染病ではないことが発表されたが未だに治る手段がない。

 千里は膝から崩れ落ち涙が溢れた。

 父は千里に覆いかぶさるように抱きつき「千里ごめんよ」と言い続けた。

 父の病気の進行は早くて2日後に高熱が出て5日には全身に斑点が襲った。

 震災後千里の前では笑顔だった父も病気の侵攻後笑顔はなくなっていた。

「お父さんはご飯だよ。」

「ありがとう…千里…ごめんよ」

 これが父の毎日の言葉だった。

 2日後父は無くなった。母のときより緩和されて お通夜と葬儀は個々で行えるようになり多くの方が  父の別れを惜しんだ。

 私は父に会いに来てくれた方々に挨拶をした。

 父は一人っ子で父方の祖父母も既にもういない

「君が千里参加な」

 黒いスーツの白髪で白い髭を蓄えたお爺さんが話しかけてきた。

「はい、私が小森千里です」

 ご老人は名前を確認すると軽く頭を下げた。

「私は水樹瑠璃様のお父様の治郎吉様にお使えしております狩野英世と申します。」

 水樹瑠奈…瑠奈ちゃん家のお付の方?一瞬固まった。

「水樹ってあの失礼だったらすいませんあのテーマパーク運営してる?」

「作用でございます。いつもお嬢様がお世話になっております。」

 高校生の千里にも聞いたことがある。映画館やショッピングモール、コンサートホールすべての娯楽の会場を運営している大企業である。聞いたことはあったがまさか瑠璃がお嬢様だとは思わなかった。

いつも制服でゲームセンターで遊んで近くのクレープ屋で反省会をしていた子がお嬢様だったなんて。

「当家の治郎吉は有名人ですので線香をあげたあと退席をさせてもらいました。後で当家に来てほしいと連絡を預かっております」

 狩野さんは再び頭を下げてお詫びをしてくるが千里にはむず痒かった。

 わかりましたと言い千里は葬儀に戻った。

 父の火葬は終わり皆が精進落としに入る中私は葬儀の管理の方に言って狩野さんに連れられてお屋敷へと行った。

 お屋敷はとても豪華で災害の被害を感じさせないほど綺麗だった。

 お屋敷の入口にはお付の方方々が複数いて中に入ると大柄で黒いスーツを着た男性が立っていた。

 狩野さんは大柄の男性と目が合うと旦那様と大きな声を出し一度頭を下げて千里に説明した。

「お父さんの葬儀の時にお呼び立てして申し訳ない。」

 治郎吉は千里に頭を下げる。

 千里はこういうおえらいさんにあった時の作法を知らないため戸惑うが頭を下げられるのはむず痒いため頭をあげてもらった。

 治郎吉は顔を上げると狩野に応接室と食事の用意をと命令して狩野さんはかけていく。

「君の父君には私は大変お世話になって、あと瑠奈もお世話になっているといつもゲームで勝てないと嘆いていたよ。」

 治郎吉は微笑みながら千里に話しかけるが千里は失礼のないようにというか気持ちで頭が一杯で会話が入ってこない。

 メイド服の女性が治郎吉の横まで来てお食事のご用意ができたと報告するとでは、行こうかと千里を案内した。

 お屋敷は白と青をメインにした内装で家具なども青か白になっていた。

 食事場は広く長い机に向かい合った2つの席にお食事が並んでいた。

料理は洋食であったが千里が食べにくいといけないためかお箸も添えってあったが違和感があり、「お箸」とぼそっと声が出てしまった。

「それはな瑠璃がナイフとフォークは食べにくいお橋がいいわといつもいいからメイド達が必要だと思ったのであろう」

 次郎吉は笑いながら説明をしてくれた。お言葉に甘えて千里は橋を使って食べた。

 次郎吉さんは父との関係と黒斑病になった時千里を助けてくれとお願いしていたらしく次郎吉は快く引き受けたと話をしてくれた。

 個々に居づらいなら家賃などはすべて出すため今まで通りの生活をしてもいいと。

 千里はお嬢様というのには似合わないと思い今まで通りの生活を選び、帰宅をして葬儀の片付けをした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る