第一章6話 「ゲンジ・チョウ」

 この世界「ミキサリウマ」は大きく分けると、「ナヴァタ城下都市」「アンネル帝国」「ルミナス王国」の3つに分けられる。「超越者」ゲンジ・チョウはナヴァタ城下都市に生まれた、古代の権能「停止」の力を持つ男である。「停止」の力は触れたものの時間を止めることができる。人の動きを止めることもできる。ただ、体の時間を止めることはできない。概念そのものを止めることもできない。そんなことができなくても十分強い能力だが、



————“今は”できないだけだ



—————————————————————

「ほな、自己紹介しよか。うちは「停止」の力を持つ「超越者」の1人、ゲンジ・チョウや。あんたは?」


「僕は「創造」の力を持つ「超越者」の1人、ノムキネ・アクト!ちなみに7歳です。よろしくお願いします!」


 自分以外の「超越者」に出会ってテンション爆上げのノムキネだが、年上の方に対してはしっかりと敬語を使っている。だが、


「なんで敬語なんて使うんや?こんなに身長高いけどうちもノムキネくんと同じ7歳やで」


 どう見ても身長170cmはあるので、年上だと思っていたが、ゲンジはノムキネと同い年の7歳であった。


「え?そうなんですか?それならそうと早く言って下さいよー」


 ノムキネはゲンジに馴れ馴れしく接していく。


「同い年といえど、さっきから馴れ馴れしいなー」


 ゲンジは怒っているかのようにノムキネに話しかけた。しかし、


「ええよええよ。もっと仲良くしてほしーわ」


 ゲンジは一切怒っていなかったどころか、嬉しそうだった。彼は感情の表現が苦手なのだろうか。


「そうですか。じゃあ僕と一緒にパーティを組んで世界中を冒険しませんか?」


 ノムキネはゲンジに問いかける。


「それはめっちゃ楽しそうやな。やけどうち、ノムキネくんがどれくらい強いか分からんのよ。やからちょっと勝負してみん?それでうちがノムキネくんを強いと思ったら一緒に冒険しよか」


「それはいいアイデアですね!やりましょうやりましょう!で、いつから始めますか?どこでやりますか?」


 ノムキネは、人生で初めて「超越者」と勝負をすることができるのが嬉しくて、すぐにでも勝負を始めたいと思っている。


「そうやなー。じゃあこの後すぐにしよか。場所は...そうやな。街の中心にあるリングでしよか。ノムキネくんは早く勝負したそうやし」


「決まりですね!では、行きましょう!」


 街の中心のリングで勝負をすることとなったノムキネとゲンジ。果たして勝つのはどちらであろうか?

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