第一章5話 「超越者はあんまりいない」

 ギルド「フラワーズ」に加入したノムキネ。そこで仲間を作ろうと考えている。「超越者」でも、一緒に冒険をする仲間は欲しいものだ。


「カミ・モールさんなんか僕と合いそうな仲間の人とかいない?」


「そう言ったって、ボウズがどんなやつかあんま知らんからな。ちょっとギルドカード見してみ」


 そう言ってノムキネのギルドカードを見たカミは驚く。


「ボウズ!お前の能力「創造」って!そりゃボッボボボボボボウズ、古代の権能やないか」


 カミは驚きすぎて言語能力が少しおかしくなってしまった。


「そうだけど?どうかしたの?」


 ノムキネの古代の権能の事は親から聞かされていた。古代の権能を持って生まれる人の希少性を。しかし、「創造」の力が世間ではあまり知られていない事は聞かされていなかった。だが、ノムキネは気にしていない。何故ならノムキネの性格は、「細かいことは気にしない」という性格だからだ。


「どうかしたやあるかいな。古代の権能持っとるやつなんてそうそうおらんねんぞ。20万人程メンバーがいるこのフラワーズだって2人しかおらんかったんや。つまり、ボウズはこのギルド3人目の「超越者」ってことや。しかもボウズ7歳やんか。名前はノムキネ・アクトか」


「このギルドには「超越者」が既に2人もいたのですね!そして僕が3人目になると!その2人の「超越者」の方に合わせてくださいよー」


 ノムキネはカミに頼み込んでみる。


「1人はこの辺に住んどうからすぐ会えるやろうけど、もう1人は別のフラワーズの拠点におるからすぐに会うのは無理やな」


「じゃあ、この辺に住んでいる方に合ってみたいです!なんせ自分以外の「超越者」を見たことがないので」


「いっつもならこのくらいの時間に来るはずやけどな」


 と、カミが言った。刹那、酒場のドアが開く。その酒場にいた全員がドアの方に目を向ける。


「みんな一斉にこっち見てどないしたんや?」


 酒場に入って来たその男は言った。


「いやあ、今ちょうどゲンジさんの話をしてた所なんですよ。新入りのボウズが自分と同じ「超越者」に会いたいと言いましてね」


 カミの口調はさっきまでと全然違っていたた。


「成程。つまり、この子は「超越者」っちゅうわけやな」


 ゲンジさんと呼ばれる男は関西弁。否、この世界ではナヴァタ弁と呼ばれる。


「ほな、自己紹介しよか。うちは「停止」の力を持つ「超越者」の1人、ゲンジ・チョウや。あんたは?」


 ゲンジは自己紹介もナヴァタ弁で行った。こうして、「超越者」ノムキネ・アクトと「超越者」ゲンジ・チョウは出会うこととなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る