第一章1話 「能力と古代の権能」

 この世界ではみんなが能力を所有している。そんな中でもこの世の理を無視するような能力のことを、古代の権能と呼ぶ。そう、ノムキネ・アクトは古代の権能である「創造」を所有している。ノムキネのように古代の権能を所有している者のことは「超越者」と呼ばれる。

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 ノムキネは生まれた後、酸素を生成したため産声をあげる必要はなかったが、それでも赤ちゃんなので寝てしまった。それから2日後の事である。


「パパ。ママ。おんぶ」


 驚くことに、ノムキネは生まれて2日で言葉を話せるようになったのだ。


「!!!」


 当たり前のことだがカグスリアとラスジオグラも驚いた。そりゃそうだ。「超越者」といえどまだ生まれて2日だからだ。

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 生まれて2日で言葉を話せるようになったノムキネはその後も常人にはありえない速度で成長した。そして、ノムキネが6歳になった時のことである。


「父さん!僕、冒険に行きたい!」


「ん!?」


 突然すぎることにラスジオグラは驚き、飲んでいたコーヒーを吹き出す。メタいこというとさっきから驚いてばっかやな。そらそうか。失礼。


「お前は「超越者」やし成長速度もおかしいけど6歳で冒険に行くのは流石に...」


「僕もう能力も自由自在に扱うことできるし大丈夫やって!」


 [朗報]ノムキネ、6歳で古代の権能を使いこなす。


「見てよ見てよ。ほら、触れただけで人を200m吹き飛ばすことができる風を創ったよ!」


「なんちゅう恐ろしいもん創っとんねん!はよ消せ!」


「はーい」


 ラスジオグラがノムキネを注意し、ノムキネは適当な返事で流す。これが、温もりのある家族ってやつか。知らんけど。


「ノムキネ。そんなに冒険に行きたいのか?」


「うん!だって、世界中には僕と同じくらいかそれよりも強い人達がいっぱいいるんでしょ?そんなのワクワクするじゃん!」


「そうか。そんなに行きたいならこの俺を倒してから行け。手加減はしなくていいぞ」


 と、なんかゲームとかでよくありそうな言い回しでラスジオグラが言う。そうして、ノムキネとラスジオグラは外に出て冒険に出るための試練?の準備をした。


「分かった。じゃあいくよー」


 準備ができ、ノムキネは合図をする。


「来い」


 それに応えるようにラスジオグラも言う。冒険に行くための試練的なやつ開始!


「触れただけで人を200m吹き飛ばすことができる風。名をつけるとするならば、そうですね。ブロウ・オフ・ウィンドなんてどうでしょうか?では。————風爆ブロウ・オフ・ウィンド


 ノムキネは自問自答し、触れただけで200m吹き飛ばすことができる風に名をつける。ブロウ・オフ・ウィンドが炸裂し、ラスジオグラは、上空200mに吹き飛ばされる。


「やばくね?ほんまに200m飛ばすやん!普通に適当に200mって言いようだけやと思ったのに。え?怖。っていうか大丈夫これ?落ちたら死ぬんちゃん?え?嫌や嫌や!死にたくない!助けてママー!」


 初っ端からノムキネはエグい技を使った。これに関しては手加減しなくてもいいと言ったラスジオグラが悪い。ラスジオグラはまるで子供のように空中で独り言を呟く。否、叫ぶ。ノムキネはそれをポカーンと眺めている。その間もラスジオグラは落下を続けている。


「まったく。父さんは。仕方がないですね」


 ラスジオグラが地面に衝突しそうになったその時。


「死ぬーー!」


 ラスジオグラはもう助からないと思った。しかし、ノムキネはしっかりと人の心を持ち合わせていた。先に地面に落下の衝撃を和らげるために無色透明の水を創って、置いていたのだ。無色透明な水だったのもあるがパニックになっていたのでラスジオグラは気づいていなかった。


「助かったのか?」


「助かったんじゃなくて、助けたんですよ。手加減はしなくていい。って言ってたから手加減しなかったけど、結局僕がいなかったら父さん地面に直撃してたよ!父さん弱いじゃん!」


「そんな、弱いだなんて、ノムキネなんて大っ嫌い!」


 ラスジオグラの方が子供に見える。


「でも、これで僕は父さんを倒したから冒険に出てもいいんだよね!」


 嬉しそうにノムキネは言う。


「ああ。約束だからな」


「やったー!」

 

 更に嬉しそうにノムキネは言う。


「でも、後1年だけ待ってくれ。やらないといけないことがあるんだ」


「本当に父さんは仕方ないですねー。後1年だけですよ!1年後に後1年待ってくれ。って言われたって無視して行きますからね!」


「ああ」


 こうしてノムキネは冒険に行くための試練?をクリアした。次回、遂に冒険に出発!まだ2話目だけどね!

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