フラワーズ所属、生まれた時から「最強」です!

成瀬くま

第一章 「この世界、ミキサリウマ」

プロローグ 「誕生」

「—————————」



 強い風が吹く山の中、子供が生まれた。


 

 男の子だ。



 しかし、何かがおかしい。



 子供は生まれた時に産声をあげるものだ。



 なのにこの子は産声をあげていない。



 ———それはこの子供は産声をあげて呼吸をする必要がないからだ。



 この子供は自分の肺に空気を創造、そして生成しているからである。



 生まれたその瞬間からこの子供は「創造」の能力を所有していた。


「この子は何故産声をあげていないの?産声をあげる必要がない———呼吸をする必要がないから?つまり、肺の中に空気を生成している?まさか、古代の権能「創造」の能力を持って生まれたの?」


 この子の母は、「予想」の能力を持っている。そのため、一瞬でこの状況を理解した。しかし、この事実に対して驚きを隠せていない。


「確か、創造力という花言葉を持っている花があったな。名前はネムノキだったかな?」


 と、「知恵」の能力を持っている父は呟く。


「花の名前をそのままつけるというのはダメだな。じゃあネムノキの順番を並び替えて——」


「この子の名前は————ノムキネ、ノムキネ・アクトだ」

 

 母、カグスリア・アクトと父、ラスジオグラ・アクトの二人が同時にそう呟く。


 こうして「超越者」ノムキネ・アクトは誕生した。

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