第一章2話 「冒険の準備と親の過保護」
ラスジオグラに勝利したノムキネは1年後、冒険に出ることを許可してもらった。そして、なんやかんやあって1年後———————————
「1年経ったから今日から冒険に行ってもいいよね!」
「ああ。いいぞ。でも、渡しておくものがある」
ウキウキのノムキネにラスジオグラは見ただけで頑丈とわかるような服を渡す。
「これは?」
「父さんの「知恵」の力でこの世で一番固い服を作る方法を見つけて、それを1年かけて作ってたんだよ。だから後1年待っててくれって言ったんだ。「創造」の力では創ることのできないくらい頑丈に作ってるんだ。1年かけて作ったものが一瞬で創ったものに負けたらたまったもんじゃないからな」
ラスジオグラの「知恵」の力はこの世の理を全て知ることができる。例えば、この世で一番大切なものはなんだろうと考えるとその答えが脳内に浮かび上がってくる。しかし、この世の理を無視した古代の権能のことは知ることができない。
「ありがとう!父さん!」
「冒険に出る息子の為だ、7歳で冒険に出るなんて父さんは嬉しいぞ!けど、それと同時に寂しい———」
「心配しなくても、何年かに一回は帰ってきますよ!」
「絶対だからな!」
「はいはい」
心配症なラスジオグラ。そして、楽観的なノムキネ。しかし、心配をしているのはラスジオグラだけではない。
「ノムキネ!」
「母さん!」
カグスリアもラスジオグラ程ではないが、心配している。
「何年かに1回は帰ってくるのよ!」
「父さんにも言いましたが、必ず帰ってきますって!」
「帰ってきたらお土産話いっぱいしてね!」
「はーい!それじゃあ、行ってきまーす!」
ノムキネは「創造」の力で電動キックボードを創り、冒険へと出発していった。
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「ノムキネ大丈夫かな」
「あの子ならきっと大丈夫よ。それに私の「予想」の力で、あの子は何か凄いことを成し遂げて帰ってくると出ているから—————」
カグスリアの「予想」の力は近い未来、遠い未来またはに起こること、またはすでに起こっていることを当てることができる能力である。この能力があったからこそ、ノムキネが生まれた時すでに「創造」の力を持っていることに気づけたのである。
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「おっと?冒険を始めていきなり魔物、しかもスライムと出会うとは実に運がいいですね!」
冒険の始めにいきなり魔物に出くわすのは本来なら運がいいことではない。スライムなら尚更だ。スライムは弱いという印象が強いかもしれないが、この世界のスライムはめちゃくちゃ強い。200℃の熱には耐えられる強さだ。しかし、ノムキネの場合は違うのだ。
「修行をしていた1年の間にたくさん新しい技を思いつきましたよ!」
そう言い、ノムキネは新しい技を繰り出そうとする。
「温度5000℃の炎を固めて相手に放つ技!名前は、
この世界のスライムはとても強い。しかし、5000℃の高熱に耐えられるわけもない。スライムは跡形もなく消し飛んだ————————
「どんな敵でもどんとかかってこい!このノムキネ・アクトが華麗に倒して見せましょう!」
そう言って「超越者」ノムキネ・アクトの冒険が幕を開けた。
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