【閑話1】職場にて悪意を持って私を『変わっている』と言った人
『変わっている』と言う言葉は、文字にするとただそれだけのニュートラルな意味にもとらえられるが、悪意を持って、相手を排除したくてたまらない時、あるいは相手の言動を貶めることで自分を正当化したい時に使う言葉としてもよく使われる。
これから話すのは現在ではなく、作者が二十代のころの話である。
明らかに悪意を持って「変わっている」なんて言葉を職場にて言われたこと。
強烈に記憶しているのが二名いる。
一名がアイオイ封筒というところの派遣(業務は主にデーターの打ち込み)で働いていたころの同年代の平社員の男性。
この会社はとにかくぎすぎすしてて、すぐに罵声が飛んでくるところだった。
意味不明な怒鳴りつけられ方をその人物からもされていて、それを上の人に訴え注意をしてもらったりもした。
その人物が私のことを「○○さんは変わっているから」と、明らかに貶める意味で言った。
ちなみに会社名を伏字にしなかったが、この会社は1993年に社長が社員を殴り殺して(傷害致死)立件されており、その後、破産。
その犯罪が起きた当初に私は働いていたからだ。
社内では誰彼かまわず怒鳴りつけ合う最悪の空気。
社長からもいきなり理不尽に怒鳴りつけられたことを記憶している。
それは社内の会議の時、お茶を持ってきてほしいと言われたので、お茶をもって会議室にいった。
工場が併設されているこの会社の建物はバラックぽい古臭いもの。
会議室はドアノブをひねって開ける扉だが、その扉が引いて開けるのか、押して開けるのかがわからず、少し開けるのにもたついた。
それだけで怒鳴られた。
社長に殺害された部長もしょっちゅう私に対しても怒鳴りつけるような人だった。
だから同情めいた気持ちもわかなかったが、しかし、昨日までぴんぴんしていた人間の急死を知らされた時は戦慄した。
社長が暴力をふるうということは社内のうわさ程度には知っていたし、私を「変わっている」だのと悪意を持って(注意されたのの恨みだったのか)言った人は
「殺されたに決まっている!」
なんて大きな声でわめいていた。
それから契約期間満了ののち、自分の意志でそれを更新せずその会社は去った。
はっきり言って、居てられるかって思ったからだ。
そしてそれから約半年後、社長が逮捕立件されたことは新聞の報道で知った。
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