第3話
俺の出身地『山奥の村』からほんのちょっぴり歩いたところに在る王国、その名もスタルト王国。
世界最古であり技術も人口も豊富な国の中には世界随一の冒険者ギルドがある。始まりを意味する国名と若者の冒険の始まりの地という意味を込め世間一般では『始まりの王国』と呼ばれる。
「通してくれませんか。これが許可証です。お願いします。」
ギルドで申請すれば許可証を貰える。許可証さえあれば王様の支援を受けて旅立てる。
ーー要するに俺はまだ旅立っていないのだ…。
「仲間は。仲間はいないのか。ま、まさかひとりれはないよn」
「もちろん“その”『ひとり』ですよ。」
世間一般では一人で旅立つ者は蛮族以下のものとされ、驚きのあまり兵は噛んでいるようだ。それもそのはず、かつて一人で旅立つ者はこれまでいなかった。
「仲間がいればいいのですが…」
優美なる光景が眼の前、あたり一面に広がる。流石はスタルトだ。
「ーー仲間がいないのか…」
「あ、あなたは!!」
周りの兵とは違う。高貴な服装、世にも珍しいオッドアイ。それに凛々しい顔立ち。
ーーところどころシミとシワが目立つあなたは!!
「あなたが王様。スタルーク三世王様!」
「その通り。わしに考えがある。実は『闇戦士』という無免許冒険者たちがいるのじゃ。そやつらと旅をするのじゃ。」「闇戦士の居場所なら掴んだ。ほれ、彼らの居場所がかかれた地図じゃ。それを持って行…」
眼の前の世界が歪む。世界が壊れる。
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