第6話 若以色見我 以音聲求我 是人行邪道 不能見如來

「にゃくいしきけんが いおんじょうぐが ぜにんぎょうじゃどう ふのうけんにょらい」「姿形をもって我を見 音や声を以て我を知らんとするならば 汝、道を誤まてり 如来(真実)を見ること能わざりき」→ 人や物の姿形・音や聲ではなく、その心・魂を見よ 「金剛経」の一節。


もちろん、わずか30分程度の「声だけ」で、(彼女の)全人格を決めつけてしまうのは、早計・軽率の誹りを免れないかもしれません。

しかし、所詮、物事は「天上天下唯我独尊」「天知る、地知る、人ぞ知る」。たとえ、それが憶測や推測の域を出ないにしても、いずれ真実は明らかになるもの。


「自分の目で見、自分の耳で聞き、自分の頭で考え、これだ、これが真実だ、と思うものを取れ」とは、全寮制高校時代の舎館長 重田一先生の教えでした。

(600人もの未熟な青少年が、24時間生活を共にする寮生活では、ちょっとした噂や流言蜚語(デマ)で、イジメやパニックが起きる。それを誡めた言葉です。)


今どきの韓流政府・韓流マスコミの垂れ流す「韓流常識」に振り回されず、あくまで「真実を自分で知る」大切さ。その為には、しっかりした自分(我)を鍛える必要がある。

(当時はそこまで考えてはいませんでしたが)無意識に相打ちばかりをやっていたのが、私の大学日本拳法時代でした。ガツンという、双方向のぶん殴り合いの中に、私は「頭がスッキリする」というか「精神がギュッと絞り込まれる」ような気がしていたのです。


爾来、私はかの教え通りにやってきました。ですから、たとえ人から「彼女は夜になると、行灯(あんどん)の油をなめる化け猫だ」とか「狐の化身で尻尾が生えている」なんて言われても気にしません。私は自分の目と耳と頭(心)を信じます。


それにしても彼女の音聲というのは、気合いが入っているというか、強力な「我」のもつ、気力と気魂から発せられているようです。まるで、ルイ・アームストロングのトランペットの音色が、その魂によって吹き出されているように。


東京上野の国立博物館・東洋館に展示されている3,000年前のミイラに向かって、彼女が「こらー、いつまで寝てるんだ !」と、かの霹靂(へきれき)の如き音聲(おんじょう)を発すれば、目が醒めて起き上がるのではないか。


「盲目だが不自由じゃない。盲目で良いんだ、魂が見えるから」

レイ・チャールズ(1930-2004) アメリカの歌手

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