合流

 プレイヤー狩りの一件から数日。僕らは商人を探してあてどなく放浪していた。

「もうそろそろ、出会ってもいいころじゃない」

「まあ、こればかりは運だからなぁ。気長に待つしかないな」

 先の戦闘で僕たちのポーションのストックは切れた。早く補充しないとまずい。


「あれ、お前たち久しぶりじゃないか」

 声の方を向くと、いつか出会ったアーサー、ジョージ、アリスの姿があった。

「あれ、なんかダメージ受けたみたいだけど」

 僕は率直に質問する。

「それがな、さっき中ボスの『無限の手』に襲われたんだ」

「『無限の手』?」

「そうよ。テスターの中では厄介者として忌避されているわ」

「アリスの言うとおりだ。面倒なのに遭遇しちまったな」


 それから僕たちは共同戦線を張るべく作戦会議に入った。向こうの三人にとってだけでなく、ここで中ボスを倒さなければ、僕たちも危ない。

「さて、『無限の手』だが、名前のとおり人間体から無限とも思われる手が生えている。接近戦は危険だな」

「じゃあ、遠距離攻撃がものを言うわけね?」

「ミホの言うとおりよ」とアリス。

「『無限の手』が襲い来るところをアーサー、ジョージ、マサムネで防ぎつつ、私とアキラが本命の遠距離攻撃。さらに後方からミホが癒しの魔法でフォロー、これがよさそうね」


「ミホ、戦闘前に俺たちを『ヒール』で癒してくれ。万全の状態で挑みたい」

「ええ、お安い御用よ。アーサー、ジョージこっちに来て」

 ミホが二人の傷を癒す。

「さて、『無限の手』に襲われたのはどこだ?」

「あっちの方だ」

 アーサーが指す。僕たちが大地の淵から逃げてきた方角とは真逆だ。

「『無限の手』は手ごわい。アリスもテスターだから分かるよな?

「ええ、もちろん。それにさっき戦ったんだから。奴は全方位から手を伸ばして攻撃してくるわ。でも、私の『メテオ』とアキラの『スリープ』があればなんとかなるはずよ」

「楽観視は良くない。さっき俺たちは身をもって知ったんだからな」ジョージが静かに付け加えた。



「スリープ」の使用可能や回数、残り二回。

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