マイルームの変化

もはや、マイルームはギフトの範疇を越えてしまった……


本来、空腹を感じることも、睡眠を取ることも必要のなかったマイルーム。膨大と形容するのも憚れるほどの魔力によって、ルームとしての概念すらねじ曲がってしまった……


転生したであろう原始的な世界と、前世を過ごした近代的な世界。その中心の隙間で膨れ上がったマイルームの世界……。その圧迫された世界の隔たりの壁が崩壊寸前だった。原始的な世界の方は、出口があるためそこから圧力が漏れた。その圧を出していた魔力が出たことでの影響はもちろんあるのだが……。しかし、近代的な世界はそれどころではないのだ。マイルームと近代世界の隔たりにマイルームが侵食してしまった。そう、近代世界の理がマイルームに流れ込んだのだ


本来なら死んでしまい。失ったはずの前世との繋がり。それを強引につないでしまった。マイルームにあったかつての産物が流れ込むのも仕方のないこと……次元の異なる世界、マイルームは原始的な世界から伸びてる世界のため、こちらから近代世界に影響を与えることはほとんどない。が、滝が流れ落ちるようにあちらからこちらへの影響は計り知れない


マイルームを中継として、繋がらないはずの二つの世界が繋がってしまった。マイルームに流れた近代の理。それらがマイルームと混ざりあうことで、マイルームは主人である転生者の望むがままに成長を続けることが出来る。しかも、世界そのものの膨張に比べれば、たかが一人の人間の欲望など小さいもの……現に転生者の魔力枯渇が起こることも減った。世界そのものが頭打ちに成ったマイルーム。そして魔力の代わりに、近代世界からの概念が流れ込むことにより世界の維持に必要な魔力も減少した


マイルームのただ膨大に広がってしまった空き地を埋めるように、迅速なペースでマイルームはその世界を変えていった……。そしてそれは、マイルームというルームという縛りすら理が壊れてしまっている


現に、マイルームの外にもマイルームが繋がってしまったことが事態の深刻さを物語っていた。すでにマイルームは……マイワールド、[世界]として確立してしまった

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