Zzz……Zzz……

「んな…んな……、はっ!ねえあ!」


歌を歌い始めてから声が出やすくなった……うんうん、いい感じだな

そういや、子供の頃は母さん達に連れられてカラオケに行ってたな。カラオケかぁ……今の声なら男でも女でも歌えそうだ!子供バンザイ!!!


「……んく…ねむぃ……」


っと、せっかく起きたのに眠くてかなわない……押し入れに入ってかなりの時間が経ってるはずだが、こうして遊び疲れても前までは1度寝でスッキリ目覚めていたのに、今は2度寝、3度寝は当たり前だ……ねむぃ……Zzz…Zzz…


~~~~~


ここにいる転生者の魔力濃度はもはや神域に迫る勢いだったりする。すでに扉から漏れだした魔力だけで下界は神域になってきているのだ。そんな高濃度な魔力を維持できている現状……もはや[マイルーム]の想定以上の魔力が流れ込んでいる。しかし、[マイルーム]は元々がハズレギフトとして作られたもの。それ故にきちんとしたデバッグがされておらず、[マイルーム]が転生者から吸収する魔力は指数関数的に増え続けていた


それ故に、魔力を吸う勢いが強くなり。仮にこの中に神が入ったとしても1時間もすれば魔力切れを起こして倒れ込む。それくらい効率が悪い空間になっていた。他のスキルやギフトならレベルという指標があり、限界値というものも存在している。しかしこの[マイルーム]にはそれが無いのだ。魔力を吸えば吸うほど文字通り無限に広がってしまう。押し入れから出てこない転生者は知らない。[マイルーム]はもはやその名の枠に収まらぬほどに成長していることを……窓から見えていたはずの空と雲に太陽……しかし今はそこに大地や海、宇宙まで広がり続けていた。そう、すでに[マイルーム]は一つの世界へと進化を続けている。一人の人間によって世界が一つ作られようとしていた


彼がそれに気づくには、まず指数関数的に増え続ける魔力の吸収を上回るほどの自然回復を身に着けること……そしてなにより、押し入れから飽きて外に出てくることだ

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