短編百合

八竜坂 合戦

魔法少女

「お母さんなんであの子はピンクじゃないの?」

 幼い私は彼女に対して侮辱でも取れる疑問を母に聞いた。

 魔法省魔防庁少女課に属する魔法少女チームのリーダーは代々ピンクが務めていた。もちろん、ルールというわけではない儀礼的にピンクが担当していたというだけの話

 幼かった私がそんなことを理解するわけもなくただただピンクがリーダーという固定概念があっただけだった

 母は「どうしてかしらねぇ…」と困ったように言うだけであった

 私の疑問をマジカルイヤ~で聞いていたらしく戦い終わった彼女…紅藍の魔法少女が私のところへ来た

「なんでか教えて欲しい?」

 彼女は優しく微笑みながら聞いた。私は憧れの人が来たと興奮していた為か首を縦にブンブン振っていた。それを見て母は「落ち着きがない子ですみません」とかなんとか言っていた気がする

「私がピンクじゃないのはまだ本気ではないからよ」

彼女はそう言うとニコっと笑い去っていった今思い出すとクッソ可愛い

 当時の私、母そして本物の魔法少女見たさに集まってきた数人の野次馬達は誰一人としてその真意を理解するものは居なかった。この発言は瞬く間に拡散されていったのを覚えているニュースでも連日報じられていた。マスコミが嫌いになったのもこのときだ

 私が真意に気づいたのは小学四年生の冬・・・・5年経ち未だに発言の意味を論争する暇な大人たちなんと言われようと弱気人を守るのが使命と言わんばかりに戦う彼女、私もそんな彼女のようになりたいと思うようになった反面まだ19歳の彼女が命を賭して戦うのはおかしいのではとも思うようになった

 そんなとき私の学校がマジュウに襲われた。先生たちは生徒を守ろうとして殺され生き残ったのは第二校舎にいた私を含めた23人、一緒にいた先生はマジュウが近づいているのに気づいて囮になって殺された

 そしてみんなと「もうすぐ魔法少女のお姉さんたちが助けに来てくれるよ!」と励まし合っていると突然私達が隠れていた教室が爆発した

 私は多少怪我したけど爆発で無事だったのは6〜8人だったかな結局最後まで残ったのは私だけだった。

 ひとりまたひとりマジュウに殺されていった私はまるで最後のお楽しみで取っておいているかのようだった。大親友で幼馴染の女の子が目の前で潰されいよいよ私の番になり最早泣くこともできなくなっていた

 マジュウの腕が振り下ろされようとしたときそのマジュウが消滅した。霧散するマジュウの後ろにが居た

 彼女は私に恐らく「ごめんなさい」と言っている気がした、マジュウの声に掻き消されてよく聞こえなかったけれどそんな気がした

私はある違和感に気付いた。彼女はすでに怪我を負って血まみれなのだ

「貴様ら、ゼッテェに皆殺しにしてやるからな!許されると・・・楽に逝けると思うなよ!!」

そう言うと彼女の藍い髪と服が光輝きピンクに染まっていくが私はそれ以上にイメージにない彼女の発言に興奮していた。彼女はクールな魔法少女として活動していたからギャップでどうやら私はチョロいようで惚れてしまったのだ。同性である彼女に・・・

数百体居たマジュウも残り十数体に流石に彼女の肉体にも限界が近づいてくる

「そろそろ私が保たないわね・・・・この一撃にすべてを掛ける」

そう言うと彼女はタメ始めた、それを見て残ったマジュウ達が融合して襲いかかる。このときの私は知らなかったマジュウ達がなんで隙を見て私を襲わなかったのかそして彼女の肉体がとうに限界を迎えていたことを

マジュウは消滅し彼女は前方に受け身も取らず倒れた

それから彼女は休養に入った

私は13になり彼女と同じ魔法少女になった彼女は今22歳、そして一緒に暮らしている。最初は私が通い妻・押し掛け妻的な感じに行って看病して居たのが彼女が退院しても続いたからだった。本当の夫婦のような気分でいるが付き合ってはいない、私の片想いそれは別に今更気にしない彼女・・・・灯凛あかりを支えてあげられるのは私しか居ないのだから

「カイマジュウ出たらしいから行くね、終わったら連絡する」

「うん、気をつけてね」

軽く頬にキスをしてきたこれから戦闘なのに頭がうまく回らない・・・でももう戦えないであろう彼女の為にも彼女が守りたかった物を守るために私は戦いに行く

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