第6話 パーティー
遅くなりました。すいません。
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翌日、パーティーに行くための用意をする。
領で着ているような服ではなく、普通の貴族の当主が着るような服を着ることになった。
ーこの、ヒラヒラしてるの、嫌なんだけどなぁー
とかぼやいてみる。スーツみたいにビシッてしてるのならいいんだけど、こっちの服はなんか変な装飾品がついてて、動きにくいったらない。
エルフィーは出席するのかと思ったら、
「そんな面倒なのはパスだよ」
と言ったので文字通り僕一人で乗り込むことになりそうだ。
自分で言うのもなんだか、重ね重ね変な貴族である。
時間になったので、ポルコが手配してくれた馬車で王宮へ移動する。
お付きがいないとか、色々奇異な目で見られたが、何事もなく会場に到着した。
しばらく談笑を眺めていると主賓である
ステファニー嬢がつけてるネックレス、イヤリング、靴が、僕が送ったものだったので、笑いそうになるのをなんとかこらえた。
「さすが王女様。本日も美しい」
「あのネックレス、素敵です!」
という声がそこかしこから聞こえてくる。
僕はそういものにはサッパリだ。チョイスはアリス嬢とライラさんにお願いした。
似合ってるらしいのでまかせてよかった。
ステファニー嬢はネックレスを手に当てては、送った本人に視線を送り、イヤリングを見せつけながら、送った当人に視線を送り、靴をそれとなけ見せながら、送った当人に視線を送ったりしている。
しかも恐ろしく自然にやるもんだから、注意してないわからない。
―あれやられたらイチコロだな―
素晴らしすぎて拍手を送ってやろうかと思ったくらいだ。
「皆のもの、この度は北部への出兵ご苦労であった。本日は存分に楽しんで欲しい」
王の言葉とともにパーティーが始まる。
しばらく談笑が行われていたが、突如、どっかの貴族があからさまに大きな声をだす。
「今回の遠征はこの場にはいないどっかの田舎公爵のおかげでとんでもない目にあいましたな」
「そうですな」
おそらくは仕込みだろう。そして僕がここにいないことが前提だったはずだ。そして討伐やむなしという空気を作りたかったのだろう。
僕は右手で口を覆う。多分物凄いわる笑顔になっていたからだ。
「ほう、王のお誘いを断る、そのような不届きな公爵がいるとは初耳ですな。で、どなたですかな?」
意識してでかい声をだすと、視線が僕に集中する。
どでかい声を出した貴族が、口をあんぐり開けて固まってた。
「どなたですか?そんな公爵は」
王と他の公爵家が結構動揺してる。手回しが間に合わなかったらしい。
うつつを抜かすとこういうことになるのだよ。と心の中でディスっておく。
「どなたですか?そんな公爵は」
その貴族の前にまわり厭味ったらしく笑ってやると、アワアワしてた。
「いや。あの・・・・」
「だれですか?もし私のことを指してるのではあれば相応の報いをうけることになりますよ?」
そういうと、腰に履いた剣をポンポンとたたいた。
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