第2話 どっちを取るか

 色々準備を進めてると、王都からの使者が来たので、アイギスで対応する。

 長ったらしい美辞麗句とか、オブラードを100枚くらいくるんだ言葉とかを取っ払うと

『すぐ来い』

 ということだった。


 たったこれだを伝えるのに、わざわざ使者を十数人引き連れて、1時間(体感)の演説を行うのだから恐れ入る。

「準備ができしだい急いで出発します」

という返事をオブラードを1000枚くらいにくるんでお返しする。


 尊大な態度の使者を見送り、これからどうするかを考える。相談相手はドノバンとデモンズと、なぜかエルフィーがいた。

「早めに行って色々揺さぶりをかけるが、時間を稼ぐために遅れていくか」

 腕を組んで悩んむ。

 揺さぶりをかけないと全軍まとめてきそうだし、早めに行くと時間が稼げないかもだし。


「坊ちゃん、私は早めにいって工作する方がよろしいかと思います」

 とデモンズ

「理由は」

「はい、まとめてくるより、別れてきてくれた方がまだましだからです」

「それはわかるけど、工作が上手くいくかどうかはわからないですよ」

「しかし、何もしなければまとめて来ます」

 そうなんだけどね・・・


「ドノバンさんはどう思いますか?」

「私も早めにいって工作する方がよろしいかと思います。私の拾った情報ですと、実は彼らの中はそう仲良くないそうです。表面上は穏やかですが、内情は結構ギスギスしてます」

「そうか」

 いつもながら物凄い情報網だなぁ。

「すこし揺さぶってあげればよろしいかと」

「わかった」

 とりあえず年長者の二人から同じアドバイスをされたので、早めに行くこととする。

「わかった。でも早く行ったら行ったでほぼ確実に拘束されるだろうからなぁ。さすがに牢屋には入れられないだろうけど、軟禁はされるだろうからな」

「返してください、なんて言って返してくれますかね」

 デモンズがちょっとおどけたが

「まぁ無理だろうな」

 親父に病気になってもらうとか考えてみるが、仮にそんなことになったら、これ幸いと絶対に帰さないだろうな。


「こっそり帰ってくればよかろう?」

 女性の声が僕の耳に届く。エルフィーだ。

「こっそりって、どうするんですか?」

「私が一緒にいってやろう。なあに、久しぶりに王都に顔を出すのも悪くないだろう」

 ちなみにエルフのは100年単位である。

「エルフが行くと目立ちませんかね?」

「ギドが使ってた魔道具を作ったのは私だぞ。あれを使えばいいさ」

 ちなみにあの魔道具は全く別人にはなれないので、僕が使ったとしてもあんまり意味がなかったりする。


「わかりました。ではエルフィーさんのお言葉に甘えます」

 そういうと、色々と手配を行い、王都に向かうことにする。


 はてさて、どうなることやら。

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