第7話 即位と懐妊と

 『アリス嬢の咆哮』から10日が立った。

 この間は特に何事もなく、というわけではなく、色々な事が決まっていた。


 まずは王子とステファニー嬢の結婚が確定した。それぞれの二大公爵家とそれにつらなる貴族からの支持があったので、あっさりと決まった。


「僕、何もいってないけど・・・」

「田舎者の公爵のお話はどーでもいいんでしょ」

 とデモンズ。

「ひどいな。色々と物資を『輸出』してるのに」

「知らないんでしょ」

 わざわざうちの領内の港から『輸出』して王領の港に船で運んでしてるからかな。     


 結婚の話を聞いてからしばらく日数が立つと今度はこんな話が舞い込んできた。

「懐妊?」

「はい、すでにステファニー様のおなかの中には新しい命が宿ってるそうです」

「早くね?」

「すでに2カ月だそうです」

「なんちゅーか、すごいね・・・・」

 僕はあきれてしまった。

 いや、もしかしたらこれがあったから結婚が早まったのかもしれない。


 そして、アイギスにつく前日に

「即位?」

「はい、結婚の儀の後に即位式が取り行われるそうです。なんでも若い人にこれからの時代を担ってほしいとのでして、王が身を引くことを決めたそうです」

「まじかい」

「それと、宰相、騎士団長、魔法省のトップもそれぞれ息子に引き継がせるそうです」

 これは慣例ですがね、とデモンズが付け加える。

「慣例たって、それは王子が20代後半になってからの話だろ。なんでまだ王子は10代だぞ」 

 僕が頭を抱える。

 しかし、デモンズがなぜそんなに僕があきれてるのかわからないらしい。

「あと、結婚の儀が決まってから、吟遊詩人がこんな詩をつくって流布しております。クリスタル王国が神に愛された国で、その証拠に地上に以下の神の使いを向かわせたとかなんとか」

 といって教えてもらったのが以下であった。

 獅子は王子のオリバー・ミュラー

 虎は二クラス・ミュラー

 鷹はラーション・サム

 龍はフランコ・サム

 蛇はマルク・キーガン

 この5人がいれば安泰だとかそんなんだった。


 それを聞くと僕は両手で顔を覆う。

「坊ちゃん。どうしたのですか?」

「デモンズさん。我が領に入ってる商人と冒険者の身分照会を厳格にしてください。許可なく立ち入っているものは全員叩き出すように。抵抗するのなら始末してかまいません。それから兵役に耐えうる最大人数の算出。後はアイギスに集まるよう通達してください」

 デモンズが唖然としている。


「わかりましたか?」

 デモンズが僕の豹変っぷりに驚いてる。

「はい。わかりました・・・。しかし、なぜそんなに急ぐんですか?」

「後で説明しますよ」


 そういうと窓の外に目をやった。


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女性がでてこねーーーw

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