第五話 勇者 → 魔王 ?

魔王を仲間に出来た事は革命的進歩だ。

俺は城に行き、王との謁見を済ませて①にセーブをした。

そして、②をロードする。


「魔王、今、王と謁見し、帰ってきた」

「そうか・・・・帰ってきたか・・・・なるほどな」

「まだ何も決まってないが、これから逐一報告に来る」

「分かった。我も何か思い出せば全て話そう」

「助かるぜ」


②にセーブする。


「何かあれば戻って来る」

「ああ、しかし・・・我の元パーティーもこんな気分だったんだな・・」

「どういう事だ?」

「気が付かぬか?我もお前と同じスキルを使用していた。使用している時は気が付かなかったが、今理解した。」

「どういう事だ?」

「フフ・・その内分るだろう」

「行ってくる。お前の言う事が本当ならば何かある筈だ」

「ああ、そうだな。行ってくるが良い」


②にセーブ、そして①をロードし城の前に戻り街の出人口に行きターナが来るのを待つ。


「ニット!私も、一緒に連れて行って!」

「おー、やっと来たか。それじゃあ。行くか」

「うん!」


ターナを連れて街を出て暫く無言で歩く

何かがおかしい・・


「ット!ニット!」


ああ?

ああ・・スライムか・・


「魔物!魔物よ!」


後になれば普通気が付くだろ!って思う事をこの時は気が付かなかった。


「スライムだろ。お前でも倒せるよ」

「本当に?」

「ああ。ぶちかませ」

「やってみる!ヒール!ヒーラー!ヒールですよ!ヒール三段活用!!」


空中に吹き出しが出る。


{スライムに青白く光る水滴が落ちる。スライムのHPは満タンのようだ。効果が無かった。}


「あれ?ヒール!ヒーラー!ヒールですよ!ヒール三段がづよー!!!!」


{スライムに青白く光る水滴が落ちる。スライムのHPは満タンのようだ。効果が無かった。}


「なんでええ!!むぅぅぅ!ヒール!ヒール!ヒール!」


{スライムに青白く光る水滴が落ちる。スライムのHPは満タンのようだ。効果が無かった。}x3


俺は、目の前で「ヒール」と叫んでいる馬鹿女の頭に、かなり本気で拳骨をしようとしたが

レベル999なのを思い出した。

あぶねー、こいつの頭から顔が全部ひしゃげて潰すところだったぜ。

黙ってりゃあ。めちゃくちゃ可愛いしな・・黙ってればな・・

だから軽くチョップをする。


「いたーーーーーい!!!叩いた!ニットが私の事叩いた!!何で叩かれないといけないのよ!!」

「この!!!!!!馬鹿女!!!お前!阿保か!いや違う!お前はアフォ!だ!!!回復してんじゃねえよ!何回同じことやってんだ!馬鹿が!」


ターナは突然大人しくなる。


「何回も?」

「ああ!?何回も同じ事やってるだろうが!」

「う、うん・・何回も・・・同じことを・・」

「あん?大丈夫か?」

「う、うん・・同じことって100回とか1000回とか?」

「あ?お前頭どうかしてんのか?スライム3,4回回復してただろ!攻撃しろ!攻撃!なんで回復してんだよ」

「うん・・・ご、ごめん・・回復ね・・そだね・・攻撃だよね」

「だろうが!回復じゃなく。攻撃だろ?」


何だ?こいつちょっとおかしいぞ?と思ったが

あ・・俺レベル999だからか・・いつもレベル1だったしな・それでか。

ある事を思い出す。

そういやぁ・・伝説の剣2本持ってたが、あれ何処に置いてたんだっけ?

部屋になかったな・・

等と考えているとリミーとバウンドがやってくる。


リミーとバウンドと合流し、隣町まで行く。

2人も魔王討伐の旅に出ていた。

パーティーを組む事となり、隣町の教会でパーティー結成の洗礼を受ける。


洗礼を受けた後、旅を続けたがいつもと同じ事が繰り返された。

しかし、伝説の剣が無くなった理由が判明した。


エンドレス王国にある道具屋で旅に必要なアイテムを買いに来ていた時


「あ、お兄さん。ダメだよ!持ち物欄の一番上空白にしてたら」

「うん?カバンオープン」


カバンは、アイテム100個まで登録出来る。

登録されたアイテムはカバン内にリスト化され吸い込まれリスト化される。

アイテムを出すときはリスト化されたアイテム欄を触れば具現化される。

カバンは自分の意志で出し入れでき、持ち運ぶ不便さがなくなる便利な能力であり

皆が持っている。


自分のカバンを出しリストを見てみるとリストの一番上が空白になっていた。


「一番上が空白だと魔水晶が誤作動するんだよ」


魔水晶とは、買い物客のカバン内にあるリストを自動で検査し同じアイテムがあれば

同じアイテムリストの所に送り込んでくれるアイテムである。

全ての店で魔水晶を備え付けてある。


「あら?本当だ・・」


カバン内の整理をする。

空白の場所にリストの一番下にある毒消し草のリストを1回触り

空白の一番上の欄を2回叩くと空白の部分が光、カバン内の整理が終わる。

しかし、この時魔水晶の不具合で一番上に登録されたのは

伝説の鎧であった。

体が軽くなったのを感じると布の服だけになっていた。


「あれ?」

「魔水晶の不具合だな・・お兄さん気を付けな」


カバンの一番上の伝説の鎧を出そうと伝説の鎧のリストを2回叩くと

手に毒消し草を握っていた。

リストを見ると一番上は毒消し草に代わっていた。


「あのー。イン様?毒消し草を握って何をなさっているのかしら?鎧は?」

「消えちゃった」

「へ?ニットどういう事?」

「分からないが・・鎧消えちゃった」

「おい親父、インの鎧は弁償されんだよな?」

「リストの一番上を空欄にしていたお客様の責任でして・・」

「はぁ?何言ってんのよ!ニットに鎧返しなさいよ」

「いいって!体軽くなったしな。もう装備とかいらねえし。俺強ええからな」

「でも、イン様・・その恰好は」

「おかしいか?」

「ああ、イン、布の服に兜はおかしいだろ」

「ニット、その恰好ぶっさいくだよ」

「む・・・お?そうだ。もう一度検証してみるか。兜も無くなるか」

「止めなさいよ」


カバンを出し一番上の毒消し草を一番下の欄に移動し一番上を空欄にする。


「親父、もう一度魔水晶を頼む」

「分かった。どうなっても知らねえぞ」

「ああ。大丈夫だ」


店主は魔水晶を触ると魔水晶から光がニットを照らすと魔水晶の光が点滅する。

カバン内のリストを広げ毒消し草を一番上に移動さすと

リスト一番上に布の服が表示される。


「きゃあああ!ニット!なんで裸になってるのよ!!」

「み、見ちゃ!らめええええええ!!!!」


バウンドはリミーの目を両手で塞ぎ見えない様にしている。

ターナが、布の服を買ってくれた。

服を着る前に同じことをすると兜は無くなった。


爽快!

装備が無い事がこんなにも爽快とは!


俺はこのまま旅を続ける事にした。

俺強ええしな。

問題ない。


旅を続け、この世界の大陸中央に小さな神殿がある。エンド神殿である。

神の祝福を受け

ターナが賢者になり

リミーは伝説の杖を貰い

バウンドは伝説の盾を貰う


「ぐぬぬぬ。馬鹿女が」

「なあに?誰の事言ってるのかしら?馬鹿って・・もしかして賢者様に言ってるのかしら?」


チョップをする


「いたーい!もー!何するのよ!」

「おいリミー、この馬鹿に何か言ってやれ。馬鹿と自覚がねえらしい」

「エターナル様かっこいいですわ」

「でしょー!どっかのブサイクには私の魅力は分かんないのよ。イーーだ!」

「ちっ・・」


そういやぁ、ここで神官から祝福を受ける前自動でセーブされたがどういう原理なんだ?

この世界は、まだまだ分からない事だらけだ


俺達はそのまま旅を続け魔王の前まで来てしまった。

この旅で得た物は布の服、失ったものは装備と少しの自尊心

対価が釣り合わねええ!


しかしこの先に行くと同じ事の繰り返しだ

おかしな所といやあ、魔水晶か。


①にセーブし②をロードする。


「魔王」

「何だ?何か気が付いたか?」

「気が付いたというより・・装備と少しの自尊心を失った」

「どいう事だ?」


魔王にあった事を説明すると・・


魔王は暫く無言になり何かを考えている様だった。


「そ、それだ・・・・・・」

「何だ?」

「くくく・・思い出したぞ・・その店はエンドレス王国の道具屋か?」

「ああ、そうだが?」

「お前のパーティーはどこにいる?」


あ、あいつらの事このセーブデータではすっかり忘れてたな


「街にいるが?」

「連れてくるがよい。このループ終わらせられるかも知れんぞ」

「何!それは本当か?」

「ああ、連れてくれば全て説明しよう」


ニットが王の間より出て行くのを魔王は見ると


「ふふふふふふ。あはははははははは!」


魔王は笑い。そして涙を流し始める


「皆・・やっと私も皆の所にいけそう・・やっとこのループから抜け出せるよ・・・皆にまた会いたいよ・・」


首からぶら下げているネックレスに付いているネームタグ3つを握りしめながら魔王は泣いていた。


隣町の宿屋


部屋の中から声がする


「・・・いい?・・あの悪魔を一度思い知らさないと・・だから・・」

「エターナル様・・悪魔だなんて・・」

「私達にとっては悪魔みたいなもんでしょ?」


何の話してるんだ?悪魔?何の事だ?

部屋の戸をあけると皆が驚きニットを見る。リミーはどこかソワソワしているように見える。


「おかえりー。もー!ニットどこ行ってたのよ」


皆に魔王を王の間に連れて行った事を説明する。


「は?どういう事?」

「イン様、魔王を何故王の間にお連れになりましたの?」

「だな!それだけじゃ意味がわからんぞ」

「とりあえず・・付いて来てくれ。そこで全て説明する」


皆を連れて王の間に移動する。


「戻って来たか」

「げっ!魔王!というか私の椅子!!」

「イン様・・私は怖いです・・」

「俺達レベル1だぞ・・・どうするんだ?」

「まあ・・魔王の周りに座れ」

「え?ニット何言ってるの?」

「お兄様」


リミーはバウンドに寄り添い怯えている。


かぁー。なんて良い光景なんだ。美しい兄妹愛だ・・

癒されるうー


「大丈夫だからさ、この魔王すでに俺達の仲間と言ってもいい」

「どういう事なの?」

「くくく、勇者のいう通りだな。私と勇者は手を組み、この世界と戦っていると言っても過言でもないだろうな」

「イン様?」

「まあ座れ」


皆魔王の周りに腰を降ろす


「まあ・・俺から説明しよう」

「そうだな・・勇者よ全てを隠さずに話すがよい」

「ああ、皆静かに聞いてくれ。この世界はループしている。それも永遠にだ」


ターナ、リミー、バウンドが俯く


これまでの経緯を全て話し、魔王と共にこのループを終わらす為に動いている事を説明した。


「そ・・・そうなんだ・・・・」

「イン様・・私達はどうしたら?」

「私が説明しよう。勇者は面白い話を持ってきた。エンドレス王国でアイテムを失った話だ。それが鍵だ」

「どういう事だ?」

「魔水晶の不具合となっている筈だが、実はあれこそ、この世界の不具合だ。その不具合を利用すれば、このループを終わらす事ができる。私は元勇者だったのは教えたな?」

「ああ」

「なぜ勇者の私が魔王になれたと思う?」

「分かる訳ないだろ?どうやってなった?」

「その不具合を利用すると、ある場所に入れる。そこで魔王となった」

「どうやって?」

「簡単だ。私も連れて行くがよい」

「どうやって?」

「皆立て!」


魔王の言葉通りに皆立ち上がると


「椅子を持てい!」


4人は魔王が座っている椅子を神輿の様に担ぐと

皆が口を揃えて


「阿保かあ!!」


魔王もろとも椅子を床に叩き付ける


「何をするのだ!」

「何故魔王を奉りあげんといかんのだ!お前は・・お?いい物があるぞ」


ニットは王の腰紐を取ると


「ちょっとお~、勝手に私のお父様の物取らないでくれる?てゆうか・・何でお父様もお母様も動かないの?」

「魔王を倒すまでは動かないし喋らないぞ」

「えええ、お父様!お母様!まあいいか・・」

「いいのかよ!」

「魔王待ってろ」


ニットは腰紐で魔王と椅子を括る


「魔王お前はケツに椅子ひっつけて自分の足で歩け」

「私を愚弄するかあああ!まあいいか・・」

「いいのかよ!」

「では、皆私に付いて参れ」

「どこに行くんだ?」

「隣街だ」

「何故?」

「行けば分かる」


椅子魔王と共に隣り街の教会に行くと、魔王はパーティーの洗礼を頼む

洗礼を受けると魔王の手の甲にも皆と同じ印が現れる。


「な、何か不思議な気分・・魔王が仲間になるなんて」

「だな」

「イン様・・この後は・・」

「さあな?ケツ椅子魔王に付いていくしかねえだろ」

「貴様、私をなんと呼んだか?」

「ああ?ケツ椅子魔王で間違いないだろ?」

「私は魔王ぞ?王ぞ?魔王と言えど敬わぬか、呼び捨てにするな」

「ああ、そうだな。おケツ椅子魔王」


魔王は少し考える


「うむ、うむ」


ターナと魔王を見比べる・・

ああ・・こいつも馬鹿だ・・

王とか王女とか王とつく者は皆馬鹿なのか?


「では・・エンドレスまで行くぞ」


おケツ椅子魔王に従いエンドレスまで急いで行き、例の道具屋に入る。


「つかよ、此処じゃないとダメなのか?」

「ああ・・ここしか魔水晶機能してないからな」

「何故だ?」

「お前たちここ以外で買い物した事あるか?」

「あれ?そういやあ・・ないな・・」

「そういう事だ」

「どういう事なんだ?」

「この世界での行動はある程度決められている。王や王妃が一切動かぬようにな」

「そう言われると、そんな気がしてきたな・・・」

「よし、カバンの一番上を空欄にして買い物をしろ」

「ああ、分かった」


空欄を作り店主に声を掛ける


「お兄さんダメだよ。カバンの一番上を空欄にすると、魔水晶が不具合を起こしてしまうよ」

「よし・・これでいい」

「でどうすんだ?」

「終わりだ」

「は?ふざけてんのか?」

「今、魔水晶が不具合を起こしているが、違う」

「何が違うんだ?」

「魔水晶ではなく、この世界自体が不具合を起こしている」

「世界が?」

「ああ・・このままカバンを空欄にしたまま、この店から出ると良い」


魔王に言われた通り外に出ると


「何だ!!!!これは!!!」

「何?ねえ!ニット!これ何!!!!!」

「イン様・・こ、これは・・・」

「なんだこりゃああ!こんな光景初めて見るぜ」


店の外は、全ての風景がバラバラになり、一つ一つがドットのようになって

辺り一面に色々なドット絵となっている。

その中央を一筋の光が伸びている


「この光の上を歩いて行くと良いぞ」

「分かった」

「ねえ・・ニット大丈夫なの?」

「怖いです・・・」

「リミット安心しろ。俺が付いている」

「うん・・お兄様」


バウンドとリミーは手を繋ぎ後ろを付いてくる

光の上を進むと扉が見えてきた。


「あれは?」

「あの先に部屋がある。入れば分かる」


部屋に入ると・・とてつもなく広い空間となっているが部屋は明るく

中央にテーブルが置いてありテーブルの上に水晶が置かれている。

皆歩を進め、その中央の水晶の前まで来る。

そして、水晶を見ると其処に書かれていた物は


【勇者インフィニット・アンリミテッド様】

     【勇者専用転職水晶】

      【勇者 → 魔王】

【転職しますか? はい ・ いいえ】


と水晶に書かれていた。


「見ての通りだ」

「俺が・・魔王に?」

「そうだ・・・」

「そんなの、いいえに決まってるだろ?」

「そうか?貴様は魔王になる責任があると思うがな」

「どういう事だ?」

「気が付かぬのか?」

「お前ひとりループしていると思ってるようだが、それは違う」

「どういう事だ?」

「此処に居る者全員がループしているという事だ」

「は?・・・・」

「気が付いてなかったか。とんだアホウよの」

「タ、ターナ・・・・そ、そうなのか?」

「・・・・・・・・・」

「リミー?」

「お兄様」

「ああ・・」


皆が俯いている。


「お前が私を倒し女神と話した後に最初の場所に皆が戻る様になっている。貴様が旅を続ける限り、このループが終わる事は無い。しかし、旅を辞めようともそれは出来ないであろう。自分の意志とは関係なく魔王の元迄行くようになっているからな」

「・・・・・・・で?・・・・」

「お前が旅を続け私を倒すという事を何回やっている事か。貴様には分らぬだろう。そもそも私が勇者だった時、私も強くてニューゲームを女神から授かった。何度ループをしたか覚えてないが、私はこの部屋を見つけ魔王となった。その時、セーブとロードのスキルは消滅したが、私の中に、強くてニューゲームだけは残っていた。それは条件となった」

「条件だと?」

「ああ、勇者が私を1000回倒せば、新しいスキルとして貰う事が出来るという条件だ。つまり貴様がそのスキルを得たという事は1000回私を倒したという事だ」

「1000回・・・・だ・・と?」

「ああ、1回我を倒すのに数年は、掛かったはずだ・・体感時間ではな・・この世界では旅に出たばかりになるだろうがな。しかし・・数年X1000だ・・貴様は仲間を数千年間拘束し続けたのだ。その間の記憶は皆引き継いだままな!」

「馬鹿を言うな!数千年間の記憶を引き継いだままなんて・・誰が信じる?」

「ふっ・・しかし・・魔王になれば、仲間を解放してやれることが出来るぞ」

「どういう事だ!」

「魔王になるには・・3人の生贄が必要だ。生贄と言っても殺すわけではない。貴様が魔王となる代わりに、貴様の仲間3人はこの世から完全に消滅する。お前はループに取り残されるが、仲間だけはこのループから救う事を出来るぞ?貴様には、その責任があると思うのだがな?」

「俺が魔王になればお前はどうなる?」

「くくくく・・簡単な事だ。我もこのループから抜けさせて貰う。さあ・・貴様の責を果たせ」

「俺に責任など・・俺の意志でループしてる訳じゃないだろ!」

「そうだな・・しかし、貴様が望もうが望むまいと、貴様が旅に出れば勝手に全員が貴様に巻き込まれ・・ループが始まる。考えた事があるか?」

「何をだ?」

「貴様の仲間の事をだ。数千年もの間ずっと記憶を持ってループを繰り返し、もう止めたい。死にたい。殺してくれ。消滅したいと、思いながらも自分の意志とは裏腹に貴様と関わらなければいけない者の心情を慮(おもんぱか)って見ろ。その様な状況で貴様と出会うという一種のイベントが発生し、歩かされて・・段々とループを生み出している元凶に一歩一歩自ら近づいて行く者の事を」

「・・・・・・」

「さあ・・押して魔王となり仲間を解放してやるがよい」

「タ、ターナ・・嘘だよな?全部記憶があるって・・・・・」


ターナに歩を進め手を伸ばす


「近づかないで!!!この悪魔!!!!」

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