第3話

私は子供の頃、親戚の叔父さんが大嫌いだった。

その叔父さんの家に遊びに行くのが大嫌いだった。


普段は全く可愛がったはくれないのに、遊びに行くとその叔父さんは私と二人っきりになりたがった。


二人っきりになると叔父さんは私を膝の上に乗せて必ず下着の中に手を入れて身体中を触った。そして嫌がる私にキスをした。もちろん頰ではなく口にだ。時として口の中に舌を入れられた。


気の済むまで身体中を触られキスをされた後叔父さんは「誰にも言うな!」と私にお金を渡した。


私が五歳くらいの記憶だ。


叔父さんのその行為は私が小学生になっても続いたが私は次第に叔父さんの家には行かなくなったので、それは止んだ。私は誰にも言わなかった。


言えなかった。されていた行為の意味は分からなかったが幼心に誰にも言ってはいけない事をされているのだと思っていたから。叔父さんが「誰にも言うな!」と言わなくても言わなかっただろう。言えなかっただろう。


正直大人になって叔父さんが亡くなった時、私はホッとした。もうあんな事をされなくても良くなったとホッとした。


悲しくなんてなかった。叔父さんが私にしていた事の意味を知っていたから。


私の抱える障害「解離性同一性障害」の発症理由の一つに「幼少期の性的虐待経験」がある。


でも今でも思うがあの行為が虐待に当たるのか私には分からない。猥褻行為と性的虐待の違いが分からないから。なので叔父さんの行為が障害を抱える原因の根底になるのかは分からない。


この事は主治医にも話していない。そもそも誰にも話してはいない。ずっと私の中の秘密だった。ここに書くまでは…。


今回何故書こうと思ったのか?それは私が「性」についての疑問や問題について書こうと思った時、その疑問や問題に少なからず私の抱える障害が関係してくると思ったからだ。


でも叔父さんの行為は私の障害に関係してくるのかは分からない。でも私は主治医から障害についての説明を受けた時真っ先に叔父さんの行為を思い出した。


「あの時の…」と。誰にも言えないあの行為が根底にあるのではないかと思った。


でもそう思っても主治医には言っていない。


原因はハッキリイジメだから…。


でも主治医の説明してくれた障害の根底に叔父さんの行為は当てはまる気がする。


叔父さんはとにかく私と二人っきりになりたがって

二人っきりになったら私にあらゆる事をした。


性的な事を。されなかったのは性行為だけだ。

されそうにはなったけれど、最後の一線は越えなかった。激しく抵抗したから…。


まるで三文エロ小説のような話だが、私の幼少期の実体験だ。


私はそういう事があったから子供の頃から身体に触られる事が大嫌いだ。気持ち悪いと思ってしまう。


正直キスすら気持ち悪いと思う。


キスなんてマンガや小説て読むだけで充分だ。自分の身に降りかかるとは想像もしたくないくらい気持ち悪い。

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