第7話 E級異界
──
あれから
恐らく戦闘に復帰した紅羽が奮闘したのだろう。
その後のニュースで彼女の活躍が取り上げられてるのを見た。
俺は街の安全が確認できた時点で、病室を後にして帰宅した。
実を言えば真昼には
真昼は定期的に検査をしているので、その時には退院できるだろう。
さて、昨日の顛末はこれくらいにして。
今日から俺はいつも通りの日常に戻る事にした。
日常といっても俺は覚醒者だ。
異界を探索するのが俺の日常であり、日々の仕事だ。
それに──
『──消費した
という女神さまのありがたい天啓もあることだしな。
女神さま曰く、
簡易的な災禍を引き起こして人々の負の感情を収集するシステム。
それが
つまり、俺が異界を潰して
そうすれば女神さまは次回の戦争で優位に立つ事ができるというわけだ。
ちなみに戦争には勝利したが邪神は滅んでいない。というより滅ぼせない。
『私と邪神ちゃんは対となる存在ですからねぇ。彼女が滅べば私も消滅しちゃいますぅ! 私たちの戦争って、あくまで世界を自分色に染める権利を賭けた戦いなんですよねぇ』
ということらしい。
なぜそうなるのか。神とはいったい何なのか。
そんな疑問を解消したくて、より深い話を聞いたことがあるが、残念ながら人の魂では理解できなかった。
天使となって魂の格が上がれば理解できるらしいが、座天使みたいになるのは御免だ。だから俺は理解することを諦めた。
結論、神さまの世界というのは面倒なのだ。
前置きが長くなったが、そんなわけで今日も俺は覚醒者としての責務を全うする。
既に参加枠は押さえてあり、俺は
現地に着くと異界対策協会のスタッフが周辺の封鎖を行っていた。
俺は登録証を提示して、バリケードの中へと入る。そこから少し歩くと、空間に浮かび上がる裂け目のようなものが現れた。
「これがE級異界……確かにF級よりかは魔力が強いな」
言ってみたものの、大した不安はない。
昨日はここに巣食う奴らより遥かに強い魔獣を倒しまくったしな。
(それより面倒なのは、他の参加者だな)
入口付近では、既に数名の人だかりができていた。
みな剣や槍で武装しているところを見ると、俺と同じ覚醒者だろう。
異界はその危険度や発生状況等を考慮して対策協会が攻略方針を決定する。今回の異界は自由参加型──集まった覚醒者で臨時パーティーを組んで進める方式だった。
(さっさと終わらせたいが……。やり過ぎると利益独占行為として問題になりかねないな。仕方がない。ここは他の覚醒者のレベルに合わせよう)
ソロでない以上は、足並みを揃えた方が賢明だろう。
余計な事をして変な恨みを買うのも御免だ。
「え? えええっ⁉」
突然、背後から驚くような声がした。
何事かと思って振り返ると、そこには昨日助けた少女が驚いた顔で立っていた。
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