最終章 Long Goodbye(別れの向こう側)

これまでのあらすじ、登場人物

 小説『Reversal』の最終章「Long Goodby」の連載を始めるにあたって、これまでのあらすじと、これからの登場人物をまとめてみました。

 『Reversal』は、近未来都市ルナシティを背景に展開するサイバーパンクミステリーです。この物語は、進化し続ける未来都市の光と、その裏に隠れたスラム街の影、その双方で生きる意味を見出そうとする青年 ― アダム・M・フィールズ ― を通して、”人の幸せとは何か”を問う物語でもあります。


 第三章「Dangerous Zone」から三年後を描いた、最終章「Long Goodbye」では、アダムがルナシティの未来と自身の運命に決着をつけるための戦いに挑みます。



【これまでのあらすじ】


 スラム街出身の青年アダムは、卓越した優秀さををかわれ、エリート集団のルナシティ警察の刑事としてのキャリアをスタートさせた。だが、憧れていた未来都市には隠謀や虚栄が渦巻いていた。

 連続殺人事件、豪邸での殺人事件、スラムの暴動など、アダムは予想だにしなかった出来事に巻き込まれてゆく。常に傍にいてくれた幼馴染で最愛のジュリエットは命を落とし、アダムが保護した富豪の子どものイカルは、複数の人格を持つ多重人格者だった。

 刑事としての身分が危うくなり、住居も失ったアダムは、イカルを連れてスラムに舞い戻る。そんな彼らの前に一台の自動運転の車が止まった。


「大丈夫です。家も食べ物も十分な用意ができます。その点ならお任せください。どうぞ、その車にお乗りください」


 イカルの口から不意に出た大人の女性の声。Worker(ワーカー)と名乗るその人格はアダムにそう言った。

 問い難い疑問を胸に抱きながらも、前に進もうとするアダムに救いはあるのか。

 物語は最終章へ。



【Long Goodby】登場人物


*アダム・M・フィールズ(21歳)  

 スラム街出身。母から虐待を受け、スラムの児童養護施設で育つ。卓越した頭脳を買われエリート集団ルナシティ警察の刑事になる。底辺と言われる場所から這い上がり、逆転する人生を夢見る青年。



*ジュリエット・カナリア(アダムの2つ年下 )

アダムの幼馴染みで、彼が唯一気が許せる恋人でもある。スラム街の公立病院で看護士をしていたが、同じ児童養護施設出身の男と河に落ち、心肺停止の状態で引き上げられる。



*イカル・エバンス(12歳)

 アダムが担当した豪邸での殺人事件に係わり、アダムが保護した少女。大富豪である親からは少年として育てられていた。複数の人格を持つ多重人格者。



*リア・バリモア(27歳)

 連続殺人犯。かつてはルナシティ警察の幹部候補の女刑事だったが、歪んだ正義感を持ち、5名のスラムの少女たちを殺害した。

 新人刑事のアダムと、その恋人のジュリエットに罠を仕掛けられ逮捕されるが、後に、渋るアダムに協力させて収監中の重犯罪刑務所から脱獄する。保守派の政治団体の後ろ盾を持っている。



*ベラ・バリモア(32歳)

 リアの実姉で、ルナシティ警察の元警視総監。

 アダムをはじめ、スラム街の児童養護施設からの複数の生徒に対する人身売買の疑惑で失脚。革新派の政治団体を立ち上げ、スラム街をルナシティの癌と言い放ち、社会浄化の名の下にスラム街の排除を目論んでいる。



桐沢キリサワハヤテ(25歳)

 

 ルナシティ大学のコンピュータ科学・人工知能の研究者で精神科医。

 故あって、ベラ・バリモアの事務所に出入りしているが、中道派の政治団体に所属し、スラム問題解消に取り組んでいる。イカルの多重人格の統合に関わってゆく。

 



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