第3話 配信準備①

「うーん…どうやってこのソフト使うんだろ…」


あれから三日後、私は配信に使うソフトの使い方が分からずに困惑していた


「えっと?これで立ち絵変えて…?これがレイヤーってやつかな」


ネットで調べながら調整しても、基本的な設定を済ませるのに3時間ほどかかってしまった


「次は…Pwitterで告知か…」


Pwitterとは、現在日本で使われているSNSの内、最も人口が多いSNSで、たくさんのストリーマーや芸能人なども使っている人気のSNSである


そして、つい昨日、運営の公式Pwitterアカウントから私たち「Vhome」の4期生デビューの告知がされた。それと同時に私たち4期生にはメンバーごとのPwitterアカウントが渡され、私たちはそのアカウントで活動することになった


「運営さんから貰ったやつをコピペして…投稿!」


画面に、私のVTuberとしての体である「伏見ルナ」の投稿が表示される。


「よし!ちゃんと表示されてる!」


ちゃんと投稿されてるのを確認すると、私は一旦パソコンの電源を落として、携帯のメモ帳を開いた


「あと3日で配信…何喋るか決めとかないと…」


企業VTuberの初配信は、同期全員が同時にすることはあまりないらしく、リレー形式でやることが多いらしい、私のところも例外ではなく、リレー形式でやることになっている。それは別に大丈夫なのだが、問題は順番だった


「なんで私が最後なんだぁ…」


そう、私の順番は1番最後、6番目なのだ。あの後さらに3人来ていたらしく、4期生は私合わせて6人になるらしい


「うう…今から不安になってきた…」


私は元々最後や最初が得意では無い。順番的に重要な役割を持たされることが多いから、責任も重くなる


「リレーのアンカーとか二度としたくないし…発表で一番最初とか…」


考えれば考えるほど、過去のトラウマなどが蘇ってくる。頑張って最初に挑戦して失敗したら嘲笑され、最後に失敗したら蔑まれる。そんな記憶が頭の奥底から溢れ出てきた


「もう今日は枠立てしたら寝よう…」


トラウマを思い出したせいで、とても配信準備するような気持ちではなくなってしまったので、最後に初配信の枠を立ててから眠ることにした


「えっと…?これで枠立てかな…よし」


パソコンのことはよく分からないが、恐らく立てられたので、モニターの電源を落として、その場にうつ伏せになる


「はぁぁぁ……嫌なこと思い出しちゃったし…ねむい…」


そんなことを呟くと同時に、私の意識は闇に落ちて行き、その場で寝てしまった。現在進行形で大事件が起こっているとも知らずに──────────
























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