悪役選択肢 〜ゲームの悪役に転生したんだけど、死にたくないしヒロインとも関わらないで・・・とか思ってたら、出てくる選択肢が強制的にヒロインと関わらせてこようとするんだけど〜
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第1話
◇
「マジでアイツに転生したって訳か?」
俺の視線の先にある無駄に豪華そうな鏡には白銀の髪と赤色の瞳を持つ青年が突っ立っていた。
何とも驚くべき事か、俺はこの青年を知っている。え?そんなの自分の事なんだから知ってて当たり前だろって?
嫌々、そういう事じゃなくてさ───鏡に映るコイツってば俺が前世で少しだけプレイしてたゲームの悪役キャラクターなんだぜ?
信じられない?あぁ、別に信じられないなら信じなくて良いよ。
だって俺だって。
「信じたくねぇもん……俺自身が死ぬ事が確定してる悪役に転生しちゃったとか」
コイツの名前は《アクヤクダ・オマエ》。ていうか、これ今更思ったけど、名前からして俺の事を馬鹿にしてない?何だよアクヤクダ・オマエって───この3秒ぐらいで考え付きそうな名前のコイツは、まぁ先程も言ったから分かってるは思うけど、ゲーム内で死ぬ事が絶対に確定してしまってる悪役キャラ。
まぁ死ぬ事が確定してるって急に言われても訳が分かんないよな。
コイツが出てくるゲームのタイトルは安直すぎて省略するが、まぁ簡単に言うと某小説投稿サイトに投稿されていた小説が何やかんやでゲーム化して、その結果産まれたのが本作の悪役キャラの1人であるオマエって訳。
何か名前を言ってるだけなのに凄く紛らわしいな。ゲームのジャンルとしては『主人公最強系』であり、良くあるスキルゴミ→追放→実は最強でした!?→ハーレム的な感じ。
そんな中で、このオマエというキャラは物語の中盤に出てくる定番中の定番とも言うべき悪役貴族。
中盤の悪役という事で、特にキャラに対しての深掘りも無ければ、製作陣からのどうでも良いと思われてしまったのか、全キャラフルボイスとか某動画投稿サイトでアップされたPVでは謳っておきながら、オマエだけボイスが無しという何とも悲しいキャラ。
「んで何故俺が確実に死ぬかといえb))『失礼します。オマエ様……急ですが、魔王様により全魔王軍の皆様に召集がかかりました。早急にとの事ですので、オマエ様も出席くださるようお願いします』うん……つまりこういう事って訳」
表ではオマエの親父って王国有数の名門貴族とかいう肩書きを謳ってて、裏では王国への忠誠なんて知ったこっちゃねぇ!って感じで、バリバリ魔王軍と繋がってますよって訳。
そんでもって息子のオマエは魔王軍の幹部の1人として活動してるみたいな感じ───そんなコイツは中盤に魔王様の主人公達の首を持ってこいという神をも恐れる鬼畜命令を渋々ながらも受け、主人公達に戦闘を挑み呆気なく破れる最後。まぁそれ以前に主人公達と同じ学園に通ってたのもあり、周りに主人公補正なのか何なのか知らないけど、女を侍らせる主人公に嫉妬したオマエがヒロインや主人公に過度な嫌がらせなどをして……って感じで、もうTHE・テンプレの悪役って感じなんだよね。
俺は絶対に嫌だねそんな最後。でも魔王様ってば凄く怖いんだなこれが。
見た目は完全なるロリ美少女だけどさ、肝心な実力が凄くヤバいの!!それに一応ゲーム内では何故か主人公クンのヒロイン候補だしね。
『魔王様も本当は良い奴だったんだ!→よし!俺達が救って仲間にしてやろう!』
この親の顔よりも見たテンプレ展開をいつまで使い続けるんですかね!って、今はそんな事は至極どうでも良い事なんだよ。
ていうか俺を呼びに来たメイドが黙り込む俺をジーッと見つめながらピクリとも動かずに固まってしまっている。
そういえば何処かで見た事があるなと思ったら、このメイドちゃん───嫌、やっぱり何も見覚えないわ。
あ!今なんだコイツって思ったd))
次の瞬間、俺の頭の中に声が響くと共に、二つの選択肢が目の前に出てくる。
『どちらかを選んでください』
【そんな召集知るかッ!!俺は今から大事な筋トレの用事があるのでなぁ……魔王には俺抜きで始めろとでも言っといてくれ】
【フッ……今夜は満月が紅い。俺にとって、絶好のチャンスと言っても過言ではない(何処か含みがある様な笑みを浮かべながら)良かろう!このオマエがッ!魔王の召集を受けてやろうじゃないか(ニヤリとより一層笑みを浮かべながらメイドに近付く)】
何ですかこれ?()
悪役選択肢 〜ゲームの悪役に転生したんだけど、死にたくないしヒロインとも関わらないで・・・とか思ってたら、出てくる選択肢が強制的にヒロインと関わらせてこようとするんだけど〜 11 @kurona_9de
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