異世界転移といえば、特殊なチートスキルで魔王討伐したり、聖女の癒しで世界を破滅から救ったり……そんなストーリーを思い浮かべるのではないのだろうか。
そうでなくとも、異世界転移したのだから、異世界らしいイベントが何かしら起こって、自分を導いてくれるはず。
だがしかし、このストーリーの主人公サイラが転移した先は、森だった。
そう、森。森である。
イベントどころか人もいない森で最初に出会ったのは、一頭の狼。
これがイベントと期待するも、話が通じて色々用立ててはくれるだけで一向に何も始まらない。
それどころかサバイバルな生活が始まって、あれよあれよと周りはモフモフで溢れていく。
その動物達に名前をつけたり一緒に寝たり、仲良くはなるけれど……
話の転換機は、目の前に一人の王子が現れてからだろう。が今はそれは置いといて。
とにかくサイラが異世界転移のイベントを期待している。これはイベント! これぞ王道ストーリーと期待しては、あれれな展開が待ち受けているのだが、前向きなサイラが何があっても挫けないのが良い。
サイラ自身がそこ抜けて明るい上に、心の声が面白すぎてストーリーのテンポの良さにつながっていると思う。
兎に角、楽しい上に、退屈する隙もない。
一度、手にとってはいかがだろうか。
オススメです。