第15話



 スパークを帯びたエネルギーの球体が空中で解放されるや否や、その弾道は空間の〈溝〉を突いた。


 飛び出したエネルギーの直径はバスケットボール程度にも満たないが、その質量はずっと深い。


 進行方向に向かって楕円形に圧し潰されていく。


 垂直に落下する軌道。


 加速する重力。



 ボッ



 地面へと着弾する。


 広間を覆っていたブロック舗装が波打ち、地面の表面が持ち上がる。


 抉り取られる地表。


 巻き上がる粉塵。


 その威力は凄まじかった。


 着弾ポイントから周囲へと伝播していく波動が、廃墟ビル群の瓦礫の山を吹き飛ばす。


 衝突時の衝撃によって生じた爆風は、地面に埋まった電柱の根元を引き剥がすほどだった。


 街路樹の幹が倒れ、錆びついた車の車体を揺らした。



 あっという間だった。



 地形の輪郭が変わったのは。

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