シュトーレンとは何ぞや

シュトーレン、というのはドイツの伝統的なお菓子だそうだ。


クリスマスの一ヶ月前から薄く切って毎日少しずつ食べるらしい。


アドベントカレンダーみたいな。


この間新聞で、シュトーレンの写真を見た。


焦茶色のパンに白いお砂糖。


たぶん、そういうのではなかろうか。


白いところがお砂糖なのか、それともただの飾りなのかはよくわからない。


お砂糖だとしたら、しゅわっと溶けるのだろうか、じゃりっとしているのだろうか。


日持ちするのだから、かためのパンなのだろう。


外はカリッとかたく、中はもっちりしているだろうか。


バゲットのように、噛みちぎって食べるだろうか。


中身が詰まっていそうだから、水分量が多くてもちもちかもしれない。


パウンドケーキみたいな少しかためのパン。


我ながら、言っていて意味がわからない。


ずっしり重いのだろうか、それとも意外と軽いだろうか。


中にゴロッと入っているのはナッツだろうか。


パンを噛んでいるとコロンとナッツが出てきて、ポクポクキュッキュッとするのだろうか。


それとももしかして、あれはドライフルーツだろうか。


何のドライフルーツなのだろう。


パンの中のドライフルーツは瑞々しくて、そのまわりのパンはじゅわっと甘酸っぱくなっているのだろうか。


生地はどんな味だろう。


黒糖の味だろうか、ジンジャークッキーのようにシナモン風味だろうか。


それともライ麦の、ちょっと酸っぱい感じがするのだろうか。


シュトーレンの切り方にはきっと性格が出るだろう。


少しずつ少しずつ食べてクリスマスになっても半分くらい残っている人もいるだろう。


クリスマス前に食べ切ってしまう人もいるだろう。


まだ見ぬお菓子に思いを馳せて、涎を溜める夜なのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

炊きたてごはんは悩ましい ひかり @hikari-kouduki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ