第四話 魔王城を目指して

 

 安心と寂しさが僕の中で混ざって、変な気分だ。



 「終わったな。混乱してると思うが、俺達と来るか決めて欲しい。」



 「...行きます。貴方達は、僕の大切な人なので。それに、トップを倒せば魔族側の統率が取れなくなって、治安も改善しますよね?」



 「仕切ってる魔王が消えれば、可能さ。」



 良い事を聞いた。平和を実現して、また弟達と幸せに暮らせる様頑張ろう。仲違なかたがいしたけれど、家族は僕の唯一無二だから。



 「後、共に行動するなら、敬語は不要だぞ。」



 「癖なので、難しいですよ。」



 「ならせめて、俺を呼び捨てにして欲しい。」



 「私もお願いね。」



 

  「はい...勇者ユーヤ、セリーヌ。」




 前日譚を達成クリアして、一行パーティーそろったな。苦労したが...何とかなって良かった。


 

 次は本編に合流するから、道中どうちゅう戦だな。盾役が居れば大丈夫か?



         ✴︎✴︎✴︎


一週間後


 

 「大分魔王城に近づいたな。」


 

「そうね。今までは順調だったけど、城は危険なはずよ。」


  

  「気を引き締めて行きましょう。」



        

        "ワゥッ"



 次の難所は城の門番だな。をどう倒す?



 「入口はあれか!でも、巨大な門番がいるぞ。」


 

 「勇者ユーヤ、どうするの?馬車で通れないわよ。」


 

 「僕が運びます!ウィンドボート



 高速なら平気と考えたか。だが、オレが奴なら、通さないぞ。



 

 「ふさがれて無理です!どうしますか?」



 「倒すしかないな。バディと俺は近づく、二人は援護を。」



        《うんっ》



 巨大 土人形ゴーレムの攻撃なんて受けたら、オレも勇者もダウンする。前に出て、撹乱かくらんするか!



       "スタタッ"


 

 

 バディが俺の前に...どういう事だ?



        

        「成程なるほど。」



 奴がバディに集中している隙に!




        "キンッ"



  腹部を貫く勢いで刺したが、効かないのか?


   「くっ、一先ひとまず退避する!」



         ✴︎✴︎✴︎


 

 「剣が無理なら魔法よね。土だし...燃やす?」



 「デカすぎて、俺の魔力が保たない。柔らかければ、刃も通るのに!」



        "ガリガリ"



 「バディ、どうした?落書きなんかして。」



 「雨ですかね?雫の形で...はっ!」



 リュカは気づいたか、オレの暗示ヒントに。お前が鍵なんだ。



 「土は水で溶けるので、土人形ゴーレムを水に浸からせれば、剣が通るかもです。僕は落とし穴を作るので、奴を連れて来てくれれば...」



 「俺はとどめ役だからな。バディ、出来るか?」



        "ウゥ〜"



 オレが適任だし、やるよ。



  

  「身体能力フィジカル強化バフ!頑張ってね。」



      

        "タタッ"



 大分近づいた。前の様にうろちょろすれば...



      "ドスッ  ドスッ"



 

 来た!鬼ごっこ開始だ。



      

        "シュタタ"



 オレの方が速い。だから奴は必死に追ってくる。そこで、急に方向転換したら?




        "ズボッ"



 あの巨体だ。急旋回せんかい出来ず、一度速度を落として、向きを変える必要がある。その場所に落とし穴があってもな!



       「ウォータージェイル



      

      "バシャ  バシャっ"



 

   「柔らかくなって、剣も通るだろ!」



    「足場です。ウィンドボート



     「ありがとう。はぁぁっ」

       

      

        "ザシュッ"


         ✴︎✴︎✴︎

      

      

   「倒せたか、皆頑張ったからな。」



 「そうね、主にリュカが活躍したけど、勇者ユーヤとバディもお疲れ様。洗浄クレンス



     

      「この魔法は?」


 

 「身を清めるものよ。汚れてると気分悪いでしょ?」



 「ありがとう。次へ向かうか!」



        "タタッ"


        

         ✴︎✴︎✴︎



         "ギィィ"



 「来たか、勇者共。の部下はどうした?」



 「俺達が倒したぞ。獣人は苦戦したけどな。」



 「彼奴あやつは余の右腕だが...情けないな。」



 「お前!仲間を何だとっ」


 

 「仲間?笑わせる。全員余の駒よ。」



 「...貴方が最低なのは分かったわ。」



 「僕達で倒して、平和を実現しましょう。」



 「余が勝ったあかつきには、王国を魔族領にしてやるがな。」



         "バゥ"


  

     絶対にオレ達が勝つ!



      

       「シャドウブレード



       

       「ぐぁっ」



 知っていたからオレは避けられたが、初見は無理だ。各々の影から攻撃が来るなんて、分かるはずがない。



     「ひっ...回復ヒール、魔耐性強化」



   「ちっ、厄介な娘から消すか。」



    「させません!岩弾ロックラッシュ



   「効かんぞ。闇の火インフェルノ



   「なっ、全部燃えて...」



  「余の魔法を破ってみよ。」


 

 全て燃やす究極の炎故、無理だろうがな。



       

       "ダダっ"



 「何だこの犬? 周りを走りおって。」


 鬱陶うっとうしいな、燃やすか。



        "キャン"


 耐性あっても効くな。だが、時間は稼いだ。



       「はぁぁっ」



   「聖剣だろうと、無意味...」


  

        "ザクッ"


   

        

       「何だと!」


 

 闇属性をものともしない?マズい、 距離を取るか。



        "バサっ"



 「逃がしません。サンド竜巻トルネード



        「くそっ」



  視界が悪い上、翼の制御が...



        "バタン"



 「最後だ、言い残す事は?」



 「人間共が勝手に、魔族領へ住み着いたのだ。だから余が取り返し、魔族の救世主になろうと...」



 「俺は昔の事は知らないけど、お前が嘘吐きなのは分かるぞ。さっき、皆駒とか言ってたからな。」



        「あっ...」



 w墓穴掘ったな。それより...嫌な予感がする。未だ何かあるのか?



 「くくっ、勇者が馬鹿で助かった。虚無ブラックホール



      「避けれっ」



        "ワンっ"


 オレの方が防御高くて、生き残れるかもしれないから、代わってやるよ。勇者ユーヤは、魔王を倒して、完全攻略...するんだぞ。



     「バディーー!」


                 

                  続く

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