第9話 乱入者
廊下の方からはカチャカチャと鎧の音がしてくる。
そちらも無視するわけには行かないが、俺たちの真正面、玉座の方には魔法使いの女がいる。
そしてその後ろには人質の、氷漬けの王族。
(うーん、これは手数が足りなさそうだぞ?)
「カノエ、鎧兵を全部任せていいか?」
「全部っ!?それはさすがに無茶が過ぎます!」
「だよなー、でも、魔法使いに集中しないと、さすがにヤバいんだわー」
「え、……何気に今、今日一番のピンチなの?」
「そうそう、ピンチピンチ。なんか、こう、状況を打破するような何かが……」
「……ねえ、こう、睨み合ってるだけでも暇でしょ?そろそろいいかしら?」
そう言って彼女は杖をこちらに向けた。
「あ、やべ」
俺は慌ててカバンから土をつかみ取ると彼女の顔めがけて投げつけた。
「っ。小賢しい」
彼女はこちらへの攻撃をやめて、土を魔法で生み出した水で洗い流す。
「ノエネ!もうすぐ鎧兵が来そうなんですけど!?」
「自分でどうにか!」
「できないから貴方を雇ったんですが!?」
「ですよねー?」
あー、もう、どうにか打破する方法は、何か……。
ガシャーン!!
そんな事を思っていたら、窓ガラスが割れて、外から何か大きなものが侵入してきた。
「ねぇ?まだ、パーティー終わってないって事で良いんだよね?」
「え、テイかっ!?」
「そうそ。序列第4位、テイちゃんだよ?猫が見つかったから駆けつけたよー?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます