第9話 乱入者

廊下の方からはカチャカチャと鎧の音がしてくる。

そちらも無視するわけには行かないが、俺たちの真正面、玉座の方には魔法使いの女がいる。

そしてその後ろには人質の、氷漬けの王族。

(うーん、これは手数が足りなさそうだぞ?)

「カノエ、鎧兵を全部任せていいか?」

「全部っ!?それはさすがに無茶が過ぎます!」

「だよなー、でも、魔法使いに集中しないと、さすがにヤバいんだわー」

「え、……何気に今、今日一番のピンチなの?」

「そうそう、ピンチピンチ。なんか、こう、状況を打破するような何かが……」

「……ねえ、こう、睨み合ってるだけでも暇でしょ?そろそろいいかしら?」

そう言って彼女は杖をこちらに向けた。

「あ、やべ」

俺は慌ててカバンから土をつかみ取ると彼女の顔めがけて投げつけた。

「っ。小賢しい」

彼女はこちらへの攻撃をやめて、土を魔法で生み出した水で洗い流す。

「ノエネ!もうすぐ鎧兵が来そうなんですけど!?」

「自分でどうにか!」

「できないから貴方を雇ったんですが!?」

「ですよねー?」

あー、もう、どうにか打破する方法は、何か……。

ガシャーン!!

そんな事を思っていたら、窓ガラスが割れて、外から何か大きなものが侵入してきた。

「ねぇ?まだ、パーティー終わってないって事で良いんだよね?」

「え、テイかっ!?」

「そうそ。序列第4位、テイちゃんだよ?猫が見つかったから駆けつけたよー?」

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