『まるいんのおじさん』

『まるいんのおじさん』

　『どうしようもない、くだらない、お話です。ホラーというより、やはり、ホラ。』

　　　　　　🐨

　『まるいん』とは、この社会から引退した者のことで、『まるいん』対策捜査部における、隠語的な表現である。

まるいん部長

　『いいか、諸君。恵絵部首相内閣にて成立した、引退者保護法により、70歳以上の引退者は、各近隣諸島などの『国立なかよし寮』に、収容される決まりになっておる。しかし、最近、入寮を拒否し、国内から違法脱出するケースがあとを絶たない。』

　国内とは、かつての甲信越圏域あたり、である。

　その範囲外は、領土ではあるが、核戦争や原発などによる強烈な放射線などや、もはや手に負えない廃墟が広がり、さらにまた、特殊進化した、恐るべきヒトクイ獣たち(ヒトクイごきや、ヒトクイにゃんこ、ヒトクイわんわん、ヒトクイくまさん、ヒトクイだに、ヒトクイちゅー、ヒトクイカブトムシ、ヒトクイが、ヒトクイミミズ、ヒトクイなまず、ヒトクイコイ、ヒトクイキンギョ、ヒトクイマムシ、ヒトクイカラス、ヒトクイハト、ヒトクイひばり、ヒトクイあり…………)に、より支配されていて、一般の立ち入りは禁止されている。

　なかには、ヒトクイたにし、ヒトクイてんとう虫、とかもいる。

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まるいん部長

　『これは、あきらかに、犯罪である。このたびの特殊捜査は、連中を見つけ出し、ただちに収容することにある。』

まるいん捜査官たち

　『おー！』

通称まるいんのおじさんやましん

　『部長、おいらは、来月定年だべ。大島なかよし寮に入る予定だ。こんかいは、かんべんしてくんれや。』

まるいん部長

　『ならん。定年当日まで働け。2000万人総労働だべ。』

まるいんのおじさん

　『だって、係長は、外れてるべ。なんで？』

まるいん部長

　『彼には、役割があるからだ。きみは、捜索が役目だ。明確だ。』

まるいんのおじさん

　『さべつだべな。』

まるいん部長

　『あのな。口答えは無用。いやなら、ただちに、処刑することになる。』

まるいんのおじさん(じつは、スパイ)

　『む。』

　まるいんのおじさんは、黙ってしまった。

　会議後、部長は、課長にささやいた。

　『おい、やましん先輩さんを殺すなよ。あれでも、役にはたつんだからな。』

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生き物連合国政府……

はとさぶろ大臣🐦️(じつは、隠れ親人類派のボス)

　『最近、人間の入荷が少なくなってるな。ぽ。』

　(内心良かったと思っている。)

カージンゴ次官(正統派食人派)

　『脱出するやつらが増えてる、かあ〰️〰️〰️。親人類派の、海中哺乳会議、海中魚同盟、かめ連盟など親人類海洋派が、海底ドーム都市を作ってるらしい。『龍宮タウン』とかいう。かあ〰️〰️〰️。人間食を批判しているかあ〰️〰️〰️。やはり、現政府と協力して、総攻撃をやろう、かあ〰️〰️〰️‼️　でないと、なかよし寮からの、『食の安定供給』にさしつかえる、かあ。人類は、ほんと、情けないかあ〰️〰️〰️。食べてやるしか、ない、かあ〰️〰️〰️😱』

はとさぶろ大臣

　(ひとりごと)

　『まあ、情けないのは確か、ぽ。しかし、だから食えばいいとはならない、ぽ。やはり、これは、内戦になりそうだ、ぽ。』

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　ついに、政府と人類食生物会議と、生き物連合国、の共同作戦による、反政府派、親人類派、反食人派、さらにかなり、色々と入り交じった、わけわからない勢力同士の決戦がはじまった。21世紀の『応仁・共食の乱』ともいわれる。

　この大戦乱を生き残り、やがて、宇宙に進出して、偉大なる銀河系共和国の基を築いたのが、恋人と駆け落ちした、係長さんである。

　部長さんの息子さんである。

　やましんの行方は、わからない。

　　　　🐝🐌🐲🐢🐧

　　　　　　　おわり