第25話 『ウルプロ侍JAPAN育成企画』三間さんか灘さんか仲島さんを育成する配信!……がしたかったんです。パート1

「秘境の里へようこそ、歓迎しますよ。絹田狸々きぬたりりです。いつも通り早朝配信は『ウルプロ』の育成配信をしていきますよ。前回湯沢ゆざわさんを育成し終えたので今日から新規の人を育成しようと思って昨日ガチャを回しておきました。恒例のリセットカウンターを編集動画と共にご覧ください」


『なんかタイトルが不安だな?』

『おっはよー、リリちゃん』

『今日も朝から配信エライ!』

『なあ、リリ。ついでで良いからエリーが寝落ちしてるみたいだから起こしてあげてくれないか?さっきから応答がないんだ』


 最近の朝配信恒例となった『ウルプロ』の育成企画を6時から始める。どう頑張っても育成1年で4時間くらいかかるので、1人の選手を作るまでに半日以上かかる。だから年代と出身地が被っている選手を狙って育成回数を減らそうと狙う選手を絞った形だ。


 1回育成選手が連続で来てくれたので1回分短縮になった。それに味を占めて複数人育成ができたら良いなと思ったのは事実だ。


 でもまさかこんなことになるなんて。


 それと気になったコメントもあったからそれに取り掛かる。配信前にチェックはしていたけど、霜月さんはさっきまで普通に起きて素材集めをしていたはず。今日も深夜からの長時間配信だからなぁ。起こしにいくか。何かまずい寝言話されても困るし。


 宣言通り編集動画の準備が完了した。


「じゃあ動画を流しますね。後ちょっと私用で席を外すので何で僕がこんなタイトルになったのか察してください」


『りょ』

『私用?配信始めたのに?』

『サイト君に怒られないように帰って来るんやでー』


 配信されている画面を見つつ、個人用スマホで電話をかける。テレビで動画サイトに繋いで霜月さんのライブ動画を開いてテレビに繋いであるイヤホンを耳に付けている内に動画内の霜月さんの表情が全く動いていない上に音声も聞こえないことを確認した。


 寝落ちはなぁ。バズったりもするけどずっと寝たままじゃ本人も困るし、会社的にもマズイことをポロッと言ってしまうかもしれない。


 マネージャーさんは……こんな朝早くに起きてないか。案件やらスケジュール調整やら、やることいっぱいだろうし。


 編集した自分の動画内で流れているコメントを見つつコールが止むのを待つ。


『あ、萩風引いてる』

『最初に育成してるからリセットなんよな』

『リセットを決意するまでの時間が長い。葛藤すんなw』

『東東京は本当に闇鍋やな。全然目当ての選手が来ない』

『いくら転生が1人確定で年代も固定してるからって、その年代の選手がピックアップされるだけで確実に来るわけじゃないし』

『浜の番長www30歳サバ読んで東京に進学して来ないでくれますぅ?』

『往年の3冠王……。いやいや、あなた大阪の名門出身でしょ』

『こんなところでも運がバグってるなぁ、リリ』


 編集動画にはリセマラ回数と時刻が出るようにしている。昨日は夜配信が終わってからリセマラしたから23時スタートだったわけだけど、全然出なかった。リセット1回で5分くらいなんだけど、これが中々疲れる。


 同じ画面をずっと見てるのは本当に目に悪いというか、精神的に疲れてしまう。


 結構長くコール音が鳴っているけど、まだ霜月さんは出ない。


『おいおい、30超えたやん。爆死コースだったわけね?』

『萩風の時もリセマラだけで3時間くらいかかってたからな』

『編集してるとはいえ、エグ……。日付余裕で超えてるどころか1時過ぎてるんだけど?』

『あれ?リリこれ、何時間寝てんの?これ今日の深夜の話で編集動画用意して、今6時過ぎよ?』


 あ、繋がった。なんかドタバタする音が聞こえる。動画の方の霜月さんも目が開いた。


 良かった良かった。


「り、リリ君⁉︎え、うそ!寝てた⁉︎」


「はい。どれくらいかはわからないんですけど。眠いなら寝た方が良いですよ」


「あ、ありがとう!ああっ⁉︎わたしの拠点が爆発してる⁉︎」


 寝起きで頭が回ってないなぁ。素の一人称が出ちゃってる。霜月さんは素だとわたしだけど、エリサの時はあたしにしている。ロールプレイをしていることを忘れないためだそうだ。


 ちなみに水瀬さんも同じように一人称を変えている。配信中は私だけど、彼女は素だとあたしだ。これ、水瀬さんが霜月さんと一人称を交換してキャラを演じようよって言い出したからだ。俺もリリの時は僕に変えてるから変えて見たくなったらしい。


 それと。配信に俺の電話の音声が載っているので今霜月さんの声が二重に聞こえている。


 霜月さんが寝ている間に、他のプレイヤーに拠点を爆破されたらしい。オープンワールドというか、サーバーが作られているオンラインゲームらしいので他プレイヤーと戦ったりするらしい。


 拠点は爆破されているけどプレイヤーキャラは無事なのが返って悪質じゃないだろうか。


「霜月さん。最低限の確認が終わったら寝てくださいね。おやすみなさい」


「……っ!う、うん、おやすみぃ……!」


 なんか声が上擦ってたな。完全に起きたみたいだし、通話を切って霜月さんの動画の方も閉じる。


 自分の画面に目を戻すと編集動画も終わりに近かった。


『あははは!これは酷い!』

『マージでリリの運どうなってんの?』

『確率0.1%らしいぞ……』

『それどころじゃない。そもそも初年度で転生選手が3人も来る・・・・・・・・・・確率がそれよりも下で、更にその中で1人の選手が天才になる確率は0.012%だそうだ。こんな数字昨今のガチャでも見ねえぞ』

『しかもその天才が一番優位に進む宮下だからなぁ』


 よし。全員が状況を把握してくれたな。


 これ、結果が2時近くだったから夢でも見てるんじゃないかと思ったぞ。とりあえずセーブして編集動画を作って3時前には寝て朝もう一度見たら現実でびっくりして。


 本当のことだと確認したくて霜月さんの動画を確認したくらいだ。その時はまだ起きていたから寝ているのは30分に満たないと思う。それで他のプレイヤーに見付かって家だけ爆破されるのは不運だ。


 もしかして俺が運を奪ってしまったのだろうか。でもガチャ結果が出たのは霜月さんが寝る前のことだし、因果関係はないはず。


「はい。戻りました。ということで皆さん、状況は理解してくれましたね?全員で宮下さんガチャを回す配信はなくなりました。次回の羽村さんガチャをご期待ください」


『もうこれ、次は羽村ガチャにしようぜ』

『賛成。これはやってるって』

『いくら40回以上リセットしたからってこんな結果になるぅ?』

『やらせちゃうん?』

『ウルプロのリセマラはマジで5分くらいかかる。むしろリリのリセットは速いくらいだぞ。昨日の配信終わりが10時過ぎだったし、アカウントを他人に渡せないからこれはガチ』

『リリ、育成済み選手見せてよ』


「良いですよ。じゃあゲーム画面見せますね」


 疑われるのもわかる結果だ。だから編集動画を消して画面を見せる。ゲームは起動済みで、選手データを確認した。


 そこには初めて配信に載せた萩風さんを筆頭に、何人もの育成済み選手がいる。


『ああ。萩風が高校生とプロ野球2年目がいる時点で本物だわ』

『育成済み選手もリストと合ってるな』

『んで、『栄光ナイン』の画面は?』


「じゃあ移動しますね」


 ゲームモードの栄光ナインへ移動する。それの続きからを選んで選手情報を見せて、『お客さん』たちは納得したようだ。まだたまに俺を貶そうとするアンチがいたりするけど、不正なんて何もしてないんだから疑ったって無駄だ。


『おお。3番灘、4番三間、5番宮下というバケモノクリーンナップ』

『こんな栄光、俺もやりてえよ……』

『しかも宮下、本当に天才だ……。転生の文字がオレンジ色表記じゃん』

『俺8年くらい『ウルプロ』やってるけど、転生選手の天才なんて1回も見たことないぞ……』

『それが普通。リセマラ中毒じゃないと普通は見ないから』

『まるでリリがリセマラ中毒みたいじゃないか!』

『企画のためにリセマラ過剰摂取してんだよなぁ』


「納得していただけました?まあ、これはこれで問題があるんですよね……」


 嬉しい悲鳴と言うべきか。


 天才選手はそもそも、能力値がめちゃくちゃ伸びやすくなる。だから天才が入部した時点で嬉しいのに、元から能力値がべらぼうに高いメジャーリーガーの宮下さんが天才なんてヤバイほどツイテいると言っても良い。


 能力が伸びやすいのは投手・野手能力どっちもであり、二刀流の選手を作るなら天才が必須級だ。宮下さんの能力が凄く良いので育成を頑張ればめちゃくちゃ強くなるだろう。


 ただ、言った通り問題もある。


「この企画って1人ずつ育てる予定だったじゃないですか?だから特訓とか合宿とかでその選手が来たらその選手のためのものを選択すれば良かったんですよ。調子を上げたりするのもその選手か投手にすれば良かったんですが、今回は3人もいるので特訓とかアイテム購入とかの分配が難しくて……」


『なるほど。リソースの問題か』

『そうだよな。高速周回できてたのはもうルーチーンが決まってたからか。ただ今回は3人を育てないといけないからじっくり考えないといけない』

『アイテム購入も3人をバランス良く育てようと思ったらポイントが足らないわけか。いやこれ悩むな!』

『あ。それに宮下投手じゃん。野手の天才ならその野手を選べば良いけど、投手の天才を注目選手にしたら試合中ほとんど打席が回って来ねえ!』

『投手の天才育成が難しいって言われるわけだ。いや、でもそこは打力のある2人がいるからプラマイゼロかも?』


 俺の説明で何度もウルプロの育成配信をして来たために『お客さん』の理解が早い。


 そう、今までは1人の選手、精々投手と野手の中核になりそうな選手だけを気にしておけば良かったんだけど、今回はこの3人とキャッチャーの育成をしないといけない。


 このウルプロの栄光ナインを安定してクリアするためにはキャッチャー○という能力を狙っていかないといけない。これがあるのとないのでは投手能力にかなり差が出てしまう。だからキャッチャーの子は育成しないといけないんだけど、そのキャッチャーの分のリソースもいるわけだ。


 まあ、そこは宮下さんの実力で強引にやっても良いだろうけど。


「あ、これ自動オーダーだったので変えていきますね。打点を取りに行くので1番灘さん、2番宮下さん、3番三間さんにします」


『超攻撃型オーダー……!』

『2番に宮下置いてるのは注目選手を1番に置いてその選手を出塁させて宮下の打撃を指示するためだな。指示するだけで選手能力が伸びやすいし、打席がかなり回ってくるから天才選手を2番起用は打点ボーナス狙いもあって定跡』

『灘は足もミートもあるから1番に置いてもいけるのは強み』

『しっかし、宮下の星化け物だな。弄らなくても世界選手権代表選手に選ばれる450超えてやがる』

『栄光ナイン1・2を争うぶっ壊れ選手だからな……』

『昨年末の選手アップデートで更に強化したからな。でもこれでもまだまだ抑えられている模様』

『公式曰く『ごめんなさい。ゲームバランスのためにナーフしています』だからな。去年防御率1点台、14勝、奪三振王などのマ・リーグ投手タイトル5つ獲得した上に打率0.289、本塁打24本、打点102を弱くしたら他の日本人選手をどれだけ弱くすれば良いんだって話になっちゃうから……』


 オーダーを弄ったり、先輩たちのステータスを確認して育成を始める。


 ここでも運が良くてランダムの特訓マスが夏大会前までに3回も来てその内の1回で宮下さんが成功。練習試合にも勝利して夏大会前のステータスを確認する。


「宮下さん、変化球がこの3ヶ月で3も伸びてる……。普通こんなに伸びないんですけど、天才って凄いですね」


『天才の良いところは勝手にスタミナとコントロールが上がってくれること。安心して変化球と球速だけ指示しておけば良い』

『おかしいなあ。1年目の夏なのにもう高速スライダーがMAXの7って表示されてるように見えるぞ?バグかな?』

『残念ながらご覧いただいている画面は正常です』

『コントロールCのスタミナBで球速150km/hか。スタコンは1ランクずつ、球速は3km/h増えてんな。指示してないのに』

『ここから試合で更に上がっていくぞ』

『三間と灘のミートがCに上がったのもデカい。Cもあれば地方大会ならかなり打てる。2人の特殊能力もかなり良いしな』


「じゃあ地方大会、いきますか」


 1年目だし、勝てるところまで行こうと進めていく。初戦、2回戦はコールド勝ち。だが3回戦からなんかおかしくなった。


『お。3回戦でAランク引いてるじゃん』

『Bは見るけど、Aは3回戦ではあんまり見ないなぁ』

『運が収束し始めたか?』


 準最強と当たってしまったものの、宮下さんが抑えてなんとか勝利。次の準々決勝も同じくAランクだった。地方大会でここまで強いチームに連続で当たるのは珍しい気がする。


『おい。俺と違う栄光やらないでくれ。こんなの地方で連続させられたら甲子園に出られねえよ。アプデ来た?』

『4月中旬にアプデあるな。でも最近はないし、この辺りは弄ってないはず』

『ということは純粋な下振れか』


 延長戦にもつれ込んで、最後はサヨナラスクイズで勝利。宮下さんに11回を投げきってもらったのでステータスがべらぼうに伸びていた。


 延長戦に入ると追加ボーナスの経験点が貰えるようで、スタミナが6も増えていてビックリした。この試合のおかげでもうAになってしまい、最高ランクのSが見えて来てしまった。


『経験値うめえ!』

『延長戦はこれがあるから良いのよ。攻撃が裏だったら俺はサヨナラ狙いでわざと延長戦にしたりする』

『それはガチ勢が過ぎるのよ』

『灘に特殊能力付いてるやん!能力の伸びも全体的にやべえ!』


 もう笑えるかのように準決勝もAだった。だけど宮下さんがホームランを打ったことを皮切りに打線が爆発。


 さっきは延長戦だったのに8回コールドだった。


『打てるピッチャーだと打線の厚みがヤバイ』

『転生3人は本当に守備も打撃も活躍してくれるから勝ちやすいな。三間をショートコンバートしたらもっと安定するんだろうけど』


「コンバートはルール的にダメです。なので三間さんはサードのままですよ」


 そして決勝。


『S……www』

『チームランクD→E→A→A→A→Sは笑うしかないんよ。最後は甲子園か?』

『甲子園でもA連打のSは滅多にないです。だいたい間にBが挟まってくれるから……』

『【悲報】東東京、魔境』

『↑そんなの現実でもそうだわ』


「これ、宮下さん注目選手に来ちゃったから選んで良いかなぁ?」


『いけ、リリ!多分三間と灘が打ってくれる!』

『注目戦手にすると経験値めちゃうまだからな』

『Sだし負けても仕方がないんじゃね?』


 3人ピックアップで宮下さんが来てしまったので、選んでみる。他の2人が人数的な意味でスタメンにしている、ステータスの強くない先輩だったということもある。


 だから宮下さんを選んで、守備機会に全部指示をして。


 チャンスに打撃指示もした結果。


『5-3!甲子園だ!』

『1年目でSに勝てねえよ、普通!』

『宮下が優秀すぎた。まあ、今日は打撃がダメダメだったけど』

『あのステータスお化け集団を3失点に抑えたのならこれ以上の成果はない』


 レギュラー全員オールA以上とかいうお化けたちに勝った!どうなってるんだよ!


 俺の運、本当に上下幅が大きいな……。


「精魂尽き果てました……。合宿やって、甲子園の抽選会をやったら今日は終わります」


『睡眠時間短いっぽいしな。しかも熱戦だったし。しゃーなし』

『というか普通にもうそろそろ3時間半だぞ。いつもと変わらない時間配信してる』

『1年目の夏って大体3回戦くらいで負けるから配信時間も短いけど、こうも勝ち上がったら時間もかかるわ』


 合宿でいくつか特殊能力を手に入れて、抽選会で前評判Aを引き。


 眠気が限界だったので配信を終わらせて昼寝をすることにする。アラームをかけておいて、ついでにSNSでこう呟いておいた。


「お昼寝します。夕方配信の準備のために誰か16時に起こしてください」


 こうすれば多分その時間帯に誰かが返信をしてくれるだろう。こういうSNSも使って話題作りをしないといけないのがライバーの大変なところだ。


 6時間ほど寝て。「polar night/Luna」の音源で起きて何か食べるものを探そうとベッドから起き上がろうとしたら着信があった。


 誰だろうと思ったら霜月さんの名前が。どうかしたんだろうか。


「もしもし?」


「あ、おはよう。モーニングコール、してみたよ?起きられた?」


「……ああ、SNSのやつですか。ありがとうございます。起きられましたよ。おはようございます」


「うん、良かった。後でSNS見てみると良いよ。わたしも寝落ちでバズっちゃったけど、リリ君も配信内容でバズってたから」


「確率が仕事していませんでしたからね……。ご飯食べながら確認してみます」


「うん。じゃあまたね」


「はい。ありがとうございました」


 霜月さんは律儀だなぁ。


 この業界、何がバズるのかわからない。寝落ちなんて結構話題になって、寝言とかが切り抜かれる。


 冷蔵庫の中から出来合いのサラダと、冷凍庫から冷凍食品のグラタンを出して電子レンジを使って温める。パックご飯も用意しながらスマホで色々と調べた。


 霜月さんの寝落ちは早速切り抜きにされていた。寝言のシーンと寝息纏め、あとは俺に起こされたシーンで一人称が違ったことが主な切り抜きだ。


 致命的な発言はなかったらしい。本名バレとかそういうの。良かった良かった。


 俺の方はガチャ結果の確率、対戦相手のチームランクのおかしさ。天才宮下さんの成長率と強さなどが話題になっているらしい。


 いや、本当に宮下さんが強すぎる。もうプロとしてでも強い方なのにここから更に2年ある上に、日本代表に行くことが決まっている。この日本代表に選出されるとステータスが固定値で伸びる上にとても珍しくて強い能力である金特殊能力を得られる可能性がある。


 これを手に入れたらこれからかなり楽になる。


 夕方配信はリスナーからのお便りを消化する雑談配信だ。『ソラソラ』をプレイしながらだけどね。



 少し時は遡り。


 寝落ちをしてしまったエリサは配信を終わらせて寝ていた時間のアーカイブを見直して致命的な発言がないことを確認して。


 そしてもう一度。リリのおやすみボイスを聞いてベッドの中で悶えていた。


「低音で囁かれるような、『おやすみなさい』はマズイってぇ……!き、切り抜いてボイスデータにしちゃお……。ね、寝られるかなぁ?」


 自分で映像を音声ごと切り抜いて、そのデータを自分のスマホに保存。


 ベッドに入ってもう一回聞いてからニヨニヨしながら眠気には勝てずに眠りに落ちた。


 お昼過ぎに起きてSNSで寝落ちのことをエゴサした後にリリの起こしてというメッセージとバズりを見てモーニングコールしちゃおっかなと考え、本当にしてみた。


 何故かモーニングコールのことが女性ライバーにバレていて、オーフェリアを中心に女性陣だけのチャットで弄られていた。


唄上ウタガミオーフェリア:え?本当にモーニングコールしましたの?冗談のつもりでしたのに」


亜麻井あまい円華まどか:これが彼女ヅラってやつね!うーん、燃えてキタァ!」


「イソラ・イグスートス:円華まどかっち、それウチら的には割とアウトだから。せめて萌えの字にして」


「水瀬夏希:エリー、リリちゃん喜んでた?詳細よろ」


「ジョン・スミス:身近な恋話は見逃せねえよなあ!」


「霜月エリサ:ノーコメントで!」


「水瀬夏希:だからエリー、それ万能の返しじゃないからね?」


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