第4話 灯台

「君はだれ?」

 王子はぶっきらぼうでした。

 二人は同じ歳です。少女はまごつきました。

「わ、わたし、あの灯台から来たの」

 咄嗟に指差します。

 大きな窓が、豆粒のような灯台を幼い二人に届けていました。

「ふうん。そうなんだ」

 王子は、いつも窓が届ける灯台の瞬きを眺めるのが、実はとても好きでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る