第3話 王子
「あなたの灯台の詩を、あの子に聞かせてやって欲しいのです」
王妃は少女の手を握りました。
少女は、煌びやかな部屋に案内されました。
窓際の大きな寝台に、ぽつん、と少年が横たわっていました。
その少年は王妃の息子、王子でした。
病に冒された彼は、生まれてから一度も、寝台から出れずにいました。
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