第7話 強硬手段
バイトの休憩中一枚の紙を見ていた。
「課外授業のお知らせね‥」
うちの学校は進学校で勉強中心であるが、イベント事にも力を入れており勉強と青春どちらも楽しむ!というのが学校の考えらしい。そのため課外授業なら普通は日帰りなのだが一泊二日ということもあり、友達と一緒にお泊まりというのがテンションが上がるのだろう。
「まぁ、俺には関係ないことだけど。」
俺はもちろん、不参加だ。バイトが普通に入ってるし、寝不足で一泊二日などしたら普通に体が壊れてしまう。だから俺はこの話を聞いた瞬間結論はすぐに出た。
「ふぅ〜おや、何見てるの?A君」
店長が控え室に入ってくる。店長も休憩なのだろう。たまに一緒に休憩して色々学校の話とか世間話をしていることがある。
「課外授業が来週あるんですよ。」
「へぇー!いいね!楽しんできなよ!」
店長がパァと笑顔になった。いつもキリッとした表情なため、笑うとちょっと可愛いと思ってしまう。
「いや、俺参加しないっすよ?」
「え?どうして?」
「バイト入ってますし、めんどくさいですし。適当に体調不良で休もうと思ってるんで。」
「‥‥」
そういうと店長は押し黙る。そして、すぐに考え事をしだす。なんだ‥?
「よしっ」
そういうと店長はパソコンに座り慣れない手つきでいじり出す。
「来週のシフトだけど、A君全部あけれるから大丈夫だよ。」
「はい?」
にっこりと店長は笑っているが普通に何言ってるの?この人?
「来週はA君があいても大丈夫な仕事量だから、明日から一周間休みにしとくね?」
「いやいや、急にシフトあけるなんてダメですよ‥俺、ちゃんと出れますから‥」
「何言ってるの!最初で最後の高校生活なんだから、こういうイベント事はちゃんと楽しむんだよ!」
店長が珍しく怒っている、言い方は優しいが顔は٩(๑`^´๑)۶みたい顔をしている。
「あ、でもあれがどうせ止めてきますよ?」
お前にそんな事してる余裕があるのか?と言ってきそうなもんである。
「それに関しは僕の方でちゃんと説明しとくから、いい?A君?サボらずちゃんと行くんだよ?」
「分かりましたよ‥」
思わずため息が出る。店長いい人なんだけど、たまに頑固なところがある。こうする!と決めたら結果がどうであれ最後まで貫き通すタイプなため、こう決まった以上何を言ってもおそらく何も変わらない。あいつにどう説得するか知らないけど、ここは言うことを聞くしかない。
「再来週、色々話聞かせてね♪」
「はーい」
これからイベント事に関して店長の前で話すのはやめておこうと心に誓った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます