第2話 適度な距離
周りがガヤガヤとおとがなり始め、目が覚める。寝足りない‥体が起こして周りを見渡す。
弁当を広げて楽しく喋っている者、友達とゲームしながら飯を食う者、1人飯で黙々と食べる者。寝てる間に昼休みになってたらしい‥
飯か‥食えないことはないけど、起きたてで食う気力が湧かない。仕方なく、携帯を取り出し仕事連絡がないか確認する。特に問題なさそうか‥学校終わってからでも大丈夫そうだな。
安堵して携帯を元に戻すと男子生徒から声がかかる。
「よう、お目覚めか?」
声する方を見ると、男子生徒がニコッと笑って言葉を続けた。
「あ、自己紹介してなかったな、俺はBよろしくな。」
「Aだ、よろしく頼む〜」
そのままその男子生徒は俺の前の席に座ってくる。
「入学式に参加せず、その次の日に遅刻ってお前すげーな。」
「そんな、褒められると照れるんだけど。」
「いや、褒めてねーから‥」
Bという少年を喋りながら見る。顔立ちが整っており、茶髪であるのにチャラチャラした感じはしない。おそらくモテる部類の人間だ。
「なんで、入学式来なかったんだ?」
「寝てた」
「え?」
「だから、寝てた。昨日起きたの、17時とかだったし」
「マジかよ‥」
本気で呆れているのか、ガチでやばいやつと思っているのか引いていた。
まぁ、その気持ちも分からんでもない。けれど、こちらにはこちらの事情がある。昨日寝たのは、朝方の5時だったしそこから寝ずに入学式に参加するのもめんどいし、新入生挨拶をしてほしいって言われて尚更行きたくないと思ってしまった。それにあいつと鉢合わせる可能性がある。だから、こちらとしても入学式は参加しないが1番楽だったと言える。
「それより‥良いのか?」
「何が?」
「いや、いいならいいんだが‥」
「??」
Bは気づいているのかいないのかは定かではないが、周りの視線がある。
それもそのはず、初日その次の日と立て続けにやらかしてる俺と関わろうとしようとする物好きは目の前にいるやつだけだ。
ほぼ自業自得なので好奇な目線は別にいい。俺に関してはだが‥
「どうした‥?」
「いんや、まぁこんなので良かったら仲良くしてくれると助かるわ〜」
「おう、よろしくな。A」
Bに被害がいくのは違うと思ってる。そんなことにならないとは思ってるけど、頭の片隅に残しておきながらBと昼休み終わるまで雑談を続けた。
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