第124話 Intro③

Intro③

「では次に、向こうの暗殺者の相手を決めます。誰かやりたい人は?」


暗殺者というのは俺が勝手に着けた名前。姿形が分からない唯一の敵だ。でも、俺の予想では恐らく女だと思う。


「それなら私たちかな?こう見えて暗殺とかは結構やってきたし。」

「狙われたりもしたしね。」

「こう見えて俺たちはうってつけってわけだ。」


そう言って手を挙げたのは占星団の残りの3人。畑さん、芝原さん、そして倉間さんだ。


「じゃあ暗殺者は3人に任せます。そして最後に開発者。向こうのラボのトップはこちらで決めさせてもらいました。工作と父さん。お願い出来る?」

「もちろんだ。」

「兄さんの言うことなら聞くよ。しかも、俺の解放が一番いいしね。」


幹部の相手が全員決まったところで、シャオさんとミシェルさんが立ち上がった。


「おい、私たちは?」

「俺たちはどうしたらいいんだ?」

「お2人には、おそらく門番をしているであろう怪物の相手をしてもらいます。」

「「はぁ?」」


俺の解放で分かったこと。それは門番に人間ではない何かがいるってことだ。


「正直、なんの情報も掴めていません。でも、あなたたちなら任せると思ったのです。何があっても絶対に生き残って帰ってくる。そんなお2人なら。」


 シャオさんもミシェルさんも、昔は御影さんのようにグループを率いていた。が、ある任務の最中に2人以外全滅してしまったのだ。そのときは俺はまだZEROには関わっていなかったから詳細は分からないが、未知の生物に襲われたとか。今回の怪物がどんなものかは知らないが、もしかしたらもしかするかもしれない。


「まぁ任された以上、無下にはできないか。」

「そこまで言うんなら援護は誰も要らないからな。」


2人はさっきまでの態度は嘘かのように、納得した様子を見せる。


 とりあえず、全員の相手が決まった。


「次は侵入経路の説明ですかね。侵入はそこに書いてあるとおり、正面突破です。全員で固まって動いて、さっき決めたそれぞれの相手が出てきたら相手する。そうでなくても、あなたたちなら探し出せるはずです。」


正面突破で作戦を開始する理由は2つある。1つは作戦を早く終わらせるため。早くしないと向こうに対策を練られてしまう。そしてもう1つが、相手をおびき出すため。もしも密かに侵入して、幹部の2人と鉢合わせしてしまったら、あまりにも部が悪すぎる。それを防ぐために、わざと気づかせるのだ。


 このくらいのことは向こうのトップも見えているだろうが。

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