第122話 Intro①
1週間後、俺たちはまた会議室に集合した。戦えるメンバーだけだが。
「結構減ったな。」
「そりゃあそうだろ。解放なんてできるのはほんのひと握りだ。」
横にいる穿と喋りながら全員が揃うのを待つ。結局今回の作戦に参加するのは俺たち2番隊、百野家、潜家、占星団、1番隊、そしていつも単独で動いているミシェルさんとシャオさん。それだけだ。
「それにしても、賢斗も解放できたんだな。」
「それはな…色々あんだよ。」
俺はわざとらしく誤魔化す。
この作戦チームに参加出来る条件は、解放ができること。少なくともそれが出来ないと、ユートピアには太刀打ち出来ない。そう予測したからだ。
「はーい、席について。」
上宮さんは、今回は気心知れたメンバーしかいないからだろうか、いつもより緩い空気で会議が始まった。
全員が席に着いたところで資料が配られる。各チームの情報班、そしてユートピアに送り込んだスパイが集めた情報がここに記されてある。
「資料は行き届いたか〜。じゃあ百野兄。よろしく。」
「やっぱり僕ですか。もうちょっとみんなに頼んでもいいんですよ。」
俺は文句をたらたら垂らしながらも前に出る。そんな態度ながらも、俺は集中していた。
なぜなら、勝負はとっくに始まっているからだ。
今のところ掴んでいる情報を見ていた時、少し違和感があった。だから、俺は解放をして、その先を見てみた。この情報を掴んでこちらに利となること、そして損になること。それを全部見てみると、結局損になることの方が多かったのだ。つまり、俺たちはこれらの情報を
そして恐らく次に打ってくる手はダミー。偽の情報を流して、俺たちを混乱させるというもの。向こう側のトップはスパイが誰なのかもわかっていて、それで情報を流させている。
上で手を引いているのは誰なのか。俺にもまだ掴めていないが、このことを他の人達には知らせていないことを見るに、組織のことを誰一人として信用していないんだろう。
これでも俺が見えたもののの1部でしかない。他にも見えることがあったが、それは全部資料に書いておいた。まぁ、ほほ何も正しい情報がなかったので、半分以上は俺が書いた情報だが。
「じゃあ会議を始めます。先に言っておきます。この戦いは前線だけではありません。ほぼ全部が情報戦です。常に自分のことをあまり周りに知らせないように注意してください。周りのどこに敵がいるのか分かりません。くれぐれも気をつけて。」
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