第6話 引っ越し

 2階に上がると美海が部屋から出ていた。


「--・-- -・-・ -・-・・ ・- ・・・- ・・-- ・-・・ (兄貴、行くのか?)」

「--・-- --・-- ・- ・・・- (あぁ、行く。)」


そう言うと美海は寂しそうな顔をする。親2人が仕事でいない時はずっと喋っていたからな。工作は基本的に引きこもったまんまで部屋から出てこないし。これからも美海は裏方で働くことになるが、その作業も1人。寂しいのだろう。


「-・ -・・- -・-・ ・-・・ -・--- ・--・ ・-・-- ・・・- -・--・ ・-・・ ・・・ (たまに帰ってくるから。)」

「・-- ・・・- ---・ ・・・- --・-・ ・-・-- ・・・- --- -・--・ (約束してくれる?)」

「--・-- --・-- ・-- ・・・- ---・ ・・・- -・ ・・ (あぁ、約束だ。)」


そう言うと美海は嬉しそうな顔をする。普段は喧嘩ばっかりだが、やっぱり俺はお兄ちゃんなんだと久しぶりに感じた。


 荷造りはそこそこ早く終わった。俺は基本的にそこまで物が多い人ではない。部屋にあって持っていかないといけないものと言えば、勉強道具と、教材と、工作特製のイヤホンやその他諸々、あとは服くらいだ。ざっと段ボール4箱分。持てない重さではないものばかりだから、自分で運べるだろう。


「終わったか?」


見れば父さんが扉から顔を覗かせていた。


「・・-・- ・・-・- -・-・ ・-・・・ ---- ・・・ --- -・--・ ---・ ・・(美海に怒られるぞ。)」

「-・- -・--・ ・- -・- -・--・ ・- (悪い悪い。)・-・・・ -・・- -・--- -・-・ -・・・ -・・・- ・- -・- ・・・- ・-・・ -・-- -・--・ ・-・ (お前には迷惑かけるな。)」

「---・ --- --・-・ ・-・・ ・-・ ・-・・ ・--・ -・ ・-・-・ -・ ・・ ・-・- (それしかなかったんだろ?)」

「・-・・・ ・・-・・ ・-・ ・・-- --・-・ ・・ --・-・ ・・ -- ・・- ・-・ ・-・-・ -・ ・・ (大人の事情なんだ。)-・・- -・-・・ ---- ・-・-・ ・-・-- ・・ --・-・ -・・- ・-・-- ---・- -・・- ・-・ ・- (巻き込んでしまってすまない。)」

「・- ・- -- (いいよ。)・・-・ -- ・--・ ・・-・・ -・・- -・--- ・-・・ ・・・ ---・ ・-・-・ ・-・ -・-・・ --・-・ ・-・-- -・ --・-・ (ちょっと前からそんな気してたし。)」


段ボールを持ち上げて父さんを移動させて階段を降りる。4つとも車のトランクに積む。もうこの家とは少しの別れだ。


「じゃあ行くぞ。」

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