#1 親友

 如月 音


「おとぉ…」

「ん?どうかした零?」

 昼休み、幼馴染の望月 零もちづき れいに話しかけられた。

「僕、暇、遊ぼ」

「ははっ、なんで片言なの?いいよ、遊ぼ!」

「やった!」

「俺も俺も!」

 蒼斗と話していると、前の席の、もう一人の幼馴染、東雲 紫苑しののめ しおんが話に入ってきた。

「いいよ!遊ぼ…って、あ!おーい!あおさん!ゆうさん!」

 中学で出会った、気の合う友人、緋桜 蒼斗ひざくら あおと黄鈴きすず ゆう。

 零が、二人の名前を呼ぶと、なに?と同時に同じ返事が帰ってきた。

「はははっ、ハモった!さすが幼馴染!」

 紫苑の言う通り、彼らは幼馴染だ。

「んふふっ、俺達すごいでしょ!」

 紫苑の言葉に、ゆうさんが自慢気に言ってくる。

「ふふっ、ありがとう。で、わいらに何か用?」

 蒼さんが話題を戻す。

「遊びましょ!」

「お〜!いいねぇ!」

「皆が遊ぶならわいも!」

 皆でなにするか話し合って、話し合っていた。

 これが日常。俺達5人は周りから親友組と言われるほど一緒にいる。

 俺にとって──。

「あ、あの、音さん。ちょっといいですか?」

 クラスの女子に話しかけられた。

「ん?俺?」

「はい。あの、話したいことがあるんですけど、誰にも聞かれたくなくて……空き教室に来てもらえませんか……?」

 彼女は途切れ途切れに話した。

 空き教室……話聞かれたくないのか…

「ん〜、いいよ。あ、話聞かれたくないなら、

 屋上は?屋上は滅多に人来ないし」

 俺がそういうと彼女の顔が少し明るくなった。

「じゃ、じゃあ、屋上で」

「ん、おっけぇ」

 俺は4人に行ってきますと言って屋上に向かった。







 #親友組

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