妻
終活ノート 最終ページより抜粋。
「タケちゃん、私が死んで困るようなことはすべてこのノートに書いたつもりです。
でもあなたがちゃんと見てくれるのか、私は心配です。
そこで、私の後妻を紹介するわ。
イデアル・ボットって知ってるかしら。人工知能が私のコピーを作って、あなたにメッセージを送ってくれるんですって。
あなたには内緒だったけど、私は毎日ボットとメッセージのやり取りをしていたのよ。私の人格をコピーするには、ボットも学習しないとダメなんですって。病室の退屈しのぎにもなったわ。
昨日、学習が完了したボットを使ってみたんだけど、なんだか気持ち悪かったわ。私って、こんなに口うるさい感じだったかしら、って。
あなたには迷惑かもしれないけど、よかったら使ってみてくださいな。私が死んだらメッセージが届くらしいから。
じゃあね、タケちゃん。これまでたくさんの幸せをありがとう。」
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