第23話 会談

朝食を済ませ身体を清める


部屋で落ち着いていると外務大臣、トルリがやってくる


「謁見の準備ができました。30分後にお迎えに参ります」


空気が冷たくなる


「トルリだったかな?僕は会談に来たんだ

謁見?一国の王がなぜ同じ王に下手にでなくてはいけないんだ?」


「こ、言葉の綾でございます!謁見ではなく会談でした。申し訳ありません」


「間違いは誰にでもある。気にはしていないよ


さて、同等の王同士の国同士の会談だ

もし準備された会場に席の高低差などあればそのまま僕は帰ることになるが





本当に会談の準備はできているのかね?」


冷や汗をながし顔を青くするトルリ



「重ねて申し訳ありません。1時間後にお迎えにあがります...」


「間違いは誰にでもあるがあまり続くようだと評価を落とすことになるぞ、気を付けなさい」





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王宮 謁見の間


広間の中央には10メートルほどのながいテーブル


対面にはグレンが座る


両の壁際には貴族達が整列する


大理石のデスクを無理やり運び込んだのか違和感のある内装になっている


(重かっただろうな〜木製の机が無かったのか、貧乏くさいって座りたくなかったのかわからないけどな〜機能性って大事だな〜)


トルリに案内され席に付く



「よし、改めて

ライトリア王国国王グレンだ。此度は来訪感謝する」


「カウント国王ライルだ

この会談が両国にとって有意義なものになることを願っている」


貴族達の方でざわめきが起きる


聞こえて来る言葉の中に田舎者、不敬、辺境伯などの単語が聞き取れる


(まあ、歓迎はされないか。お前らが呼んだくせにな〜)


「不幸なすれ違いからカウントはライトリアから独立を宣言した。

これは最後の確認だが独立を取り消すつもりはないのだな?」


「ない」


あまりに簡潔な即答だった


「新法の施行を考え直してもか?」


「あのような法を思いつき形にしようとした。その時点で我々はライトリア王家を信用することはできなくなった


今更戻るなど無理だ

あなたを主君とは崇められない」


「不敬だ!」

「田舎者があまり調子に乗るなよ!」

「戦争だ!」


貴族達からの怒号


(ここまでか...)


シイナに影渡を指示しようとしたところ


「静まれ!そんな言葉を掛けるためにライル殿を読んだ訳ではない!

独立を認め新しく友誼を結ぶために来てもらったのだ!」



「ほう」

驚き思わず声が漏れる


「ライル殿、すまない

彼らも愛国心故なのだ」


「これくらい構わないよ。間違いは誰にでもある」


「ライトリアはカウントの独立を認め友好的な同盟を結びたい」


「敵国が少ない方がいいのはお互い様だ。こちらもなるべく戦争はしたくない」


「よしそれでは同盟は成ったと考えていいな


皆のもの!聞いての通りライトリアはカウントと友誼を結ぶ!友好の証として我が妹第一王女リアをライル殿に嫁がせよう!」


瞬間、ライルにだけわかる変化があった


空気ぐ冷たくなったのだ


主にライルの影を中心に


(シイナ、大丈夫だからちゃんと断るから!)



「グ、グレン殿、実は僕は既に妻をいただいているんだ

独立宣言してすぐにな」


「ん?そうか、それは知らなかった

まあ一国の王、世継ぎのためにも側室の1人や2人当然だろう?

なーに正妃じゃないとダメとは言わんよ」


「いや、僕自身妻は1人で充分だし


やきもち焼きなんだウチのは」



「まあ、そういうでない

ライル殿の為だけではない。我々王族は多くの子を成すのが役目、仕事なのだ。


奥方が怖いのならば俺が説得しようか


どこのお嬢さんなんだ?

貴族令嬢か、他国の王族か、

まさかスミカ殿のように平民か?」


「まあ一応他国の王族かな?継承権はないけど」


「おお!ならばやはり俺から説得しよう


新興国のカウントよりは他国に顔が効くし

奥方の御両親から説得してもらう事もできるかもしれん」



「いや、たぶんライトリアとは現在国交がない国だから」


「?この大陸でライトリアと国交がない国?」





















「魔王の娘」

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姉が婚約破棄されまして @wanpaku0106

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