第17話 破門

「ライル様、関所に来客です」


「ライトリア関係者かな?」


「いいえマイル教です。代表者を出せと」


「ああ、そういえば僕は死んだと思われているんだっけ」

ライトリア王国で独立を宣言した時に多数の魔法を浴び跡形もなく消えた為ライルは死んだと思われている


「まあいいか、どうせいつか知られるんだし


僕が会おう、連れて来て」




________________________


「カウント国王、ライルだ」

大司教を名乗る男はライルを見て驚く

「ライル殿!?生きてらっしゃったのですか!?」


「なんの事を言っているのかわからんが私は生きている

そして先ほど申したように辺境伯ではなくカウント国王である

いささか不敬な態度だが...

一度目は許すが次はない」


「グッ大変失礼をいたしました」


「で?一体何の用なのかね?君たちと私はあまり仲良くはないなずなんだが?」


普段のライルからは信じられないような態度


敵国の使者に舐められないように精一杯の虚勢であった



「ど、どうやらライル様は何か勘違いをしとおられますようで、我々はあなた様と事を構えるつもりはありません

我々はマイル教を信仰する者同士、家族であります

もし、もし形だけでもグレン陛下への謝罪があればカウント領の独立を認めるようライトリアを我々が説得しましょう」


「まあ私も無駄に争いたいわけではない、私の頭くらいならいくらでも下げよう」


「おお!英断でございますな!ではそのように取り計らいましょう!

もちろんカウントでも我々と同様の新法を施行して頂きます

あ、もちろん多少の例外は問題ありませんのでライル様ご本人とご家族には特別市民権を発布していただければ問題ないかと」


「やっぱりな」


「はい?」


「やっぱり貴様らはクソだな!

そんね法認められる訳がない!」


「よ、よいのですか!?ならば皇国は、マイル教はあなた方を破門しますよ!?」


「構わない」


「何ですと!マイル教徒ではなくなるのですよ!世界中のマイル教徒があなたを攻撃しますよ!?」


「何を勘違いしているのかわからんが私はマイル教徒を辞めるわけではない


皇国派のマイル教徒ではなくなるだけだ


魔王領に行ったことはあるか?彼らの多くはマイル教徒だ


貴様らよりよっぽど敬虔だよ

もちろん経典の原本も所持している

どこかの馬鹿どもと違って改竄や書き換えなどしていない原本をな


新しい宗派を作る準備はできている

誰も困らん。貴様ら以外はな」



「そ、そんなこと

神が!マイル様が許す訳がありません!」


「ん〜まあ私もまだ神にもマイル様にもお会いしたことはないがな

貴様らの蛮行よりはお許しになってくださる可能性が高いと思うぞ


さて、もう話すこともなかろう。

皇国に帰れ

以降皇国マイル教関係者は関所を通さんから帰ったら周知するように!

早く帰れ!」


逃げるように大司教はカウントを後にする


その数日後皇国からカウント国への破門状が届き、魔王領とカウント国連名でマイル教原典派が創立された


経典の改竄に怒りを覚えていた敬虔なマイル教関係者はこの新たな宗派に流れていった


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