第15話 家族会議

「ただいま戻りました

あら、ライル帰ってたのね。」


「母上、お帰りなさいお疲れ様でした。」


「偶には働かないとね

さて、また明後日には第2陣が来ます

大体ですが5陣で全て済むかと思います


最終的には40万人ほどになるかと」


「彼らを全員奴隷にするつもりだったなんて...


母上、ご協力ありがとうございます」


「私も同じ気持ちですからね。当然の事です


それに今はあなたが当主、あなたの意のまま、動くのもまた同然のことですよ」


「それについてお話ししたいことがあります


今、父上と姉様とファムを呼んでいますので少々お待ちください」



________________________________



「突然皆を集めてどうした?ライル」


「まずは家族に話したいと思いましてね」


「ほう、余程大事か話なのだな」



「あ、あの

ご家族内大事なお話でしたら私は外で見張っておきましょうか?」


「姉様と結婚するんだからファムも家族だよ。ここで聞いてなさい」




「先ほど魔王陛下夫妻から許可を頂けました。

私はシイナと結婚します」


「あら!あらあら!おめでとう!やりましたねライル!」


「ふん、やっとか


まあこれでお前も一人前だな。おめでとう」


両親からの祝いの言葉に目頭が熱くなる


「おめでとうライル!でも、当のシイナはどこに?」


「ハハハ、恥ずかしがって出てこないんですよ

シイナ〜皆祝ってくれてるよ〜」


苦笑いを浮かべるライルの影からシイナが耳まで真っ赤な顔だけをニュッと出した


「これからも、よろしく」

それだけ言ってまた影に戻っていった


「こんな感じなので、喜んでくれてはいます」



「フフフ

ライル、あんなに可愛いあなたのお嫁さん


大事にしなさいね」



「もちろんです。もろもろ済んでから簡素に式を挙げたいと思いますのでよろしくお願いします」



和やかなお祝いムードをリセットするため一呼吸入れる


「さて、私はこのカウント領の独立を宣言しました。そして母様の生家でもあるロッヂ伯爵家も追随してくれています


この混乱を治めるために私は一旦王位に着きます」


「一旦?」


「はい、ライトリアでは王と大臣が1000年前に作られた法を元に国を治めています

ただ生まれの良さだけで王や大臣になった男達が国を治める、しかも法を歪め自分達だけに特権を与え享受している


おかしいでしょう?


無能な貴族もいれば有能な平民もいます


私はカウント国を選挙による議会制の国に


そして王も貴族も平民も法の元に生き、法を遵守しなければ平等に罰せられる国にしたいのですよ」


「確かに魅力的な話だがそれはもう王国ではないのでわないか?」


「そうかもしれません。もし民意が王は不要だと決を出すならば完全な共和政へと移行させましょう

どちらかというとその方がいいですし」


「なに?」


「向いてないんですよ。国民600万人の幸せを考えて生きるなんて


本音を言えば使用人を含めたこの家の人間だけで精一杯なんですよ

自分でできることは自分でやってくれないと困る!」


「ハハハハハハ!立派になったと思ったが側だけだなライル!

だが安心したぞ、目的があるならばただそれに向けて動けばいいだけだ


まず必要なのは他国への報告か、こればかりは書簡ではなく使者を送らないとな

他国言語を操り礼儀作法に明るい人員が必要だ

そして憲法制定のために賢人を集めなければ...」


「使者でしたらトンカウ商会の人員をお使いください、

移住政策が済みましたら商会はライトリアから手を引きますので配置換えまでライトリア担当の者が浮きます

彼らなら商談のために他言語や礼儀作法を納めています」


「ああ助かるさすがだ


賢人の方はワシが各村落を回ろう

ライル!シイナを貸してくれ!影渡りを使わせてもらう!

あとはロッヂ伯爵にも話を通さんとな、あの人は元から孫と剣以外興味ない武人だから問題ないだろう

スミカ!ファム!ロッヂ伯爵家にはお前らもついて来なさい

孫夫婦可愛さになんでも聞いてくれるさ」








「なんだか僕やることないな」


「ライル様、お茶です」すかさず執事がお茶をくれる

「英気を養うのもあなたの大事な役目ですよ」





「忘れてたよ




ありがとう」


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