第11話 王太子グレン
ーグレン視点
「殺せ!」
四方八方から不敬な腐れ土属性に炎、竜巻、水刃が飛ぶ
これはもう焦げた肉塊にしかならんだろうな
しまった!首から下は残しておくんだった!
どんな顔をして死んでいったのかわからないではないか、俺としたことが!
爆炎と水蒸気の消えた時そこに肉塊は無かった
あるのは焦げた床だけ
「ふん、跡形もなく燃え尽きたか!土属性のくせに王国に牙を向けるからだ!」
近衞団長が怒鳴る
そして貴族達も同調し消えた元辺境伯に侮蔑の言葉を吐き捨てる
そうか燃え尽きたのか、
人間というのは簡単に燃え尽きてしまうのだな
やはり栄えある勇者の火属性の貴族の炎魔法は凄い!
「皆のもの!邪魔者はこれで消えた!
元カウント辺境伯領は一度王家のものにし皆に再分杯する
なに、君たちに田舎に引っ込み農業をしろとは言わない
まず俺は神聖皇国皇女ルミアと共に考えたこの新階級制法を施行する!
そして土属性の奴隷達に辺境伯領で働いてもらう
君たちは利益だけ享受しこの王都で優雅な暮らしを楽しんでくれればいい!
見目麗しい獣人や魔族の奴隷も準備しよう!
さあ、共に王国と皇国を繁栄させようではないか!」
決まった!貴族達からの拍手喝采に溺れそうだ!
これは性行為以上の快楽かもな
目を瞑り悦に浸っりすぎていたせいか、貴族達の中からロッヂ伯爵がいなくなったのに気づかなかった
トイレかな?
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これは夢か、最近よく見る夢だ
「あの馬、俺のより一回りでかいな
おい平民その馬をよこせ俺が乗ってやる」
「し、しかしこの馬は暴れ馬で...」
「殿下、おやめ下さい。王族として国民のものを無理やり奪うなどいけません」
スミカが冷静に嗜めてくる
「ええいうるさい!俺なら乗りこなせる!」
「危ない!」
馬の蹄が見えた時思ったら私はスミカに押し飛ばされていた。
顔から血を流し大声をあげのたうち回るスミカ
社交界の花と呼ばれる辺境伯夫人そっくりの娘のスミカが
いつも冷静に俺を嗜めるスミカが
俺の婚約者だというのに俺のいう事を聞かないスミカが
冷静さのカケラのない顔で悶絶している
いい気味だ
次は婚約破棄の場面
代わりに傷を負い守った相手からの婚約破棄
俺から求めた婚約なのに
裏切られた傷物辺境伯令嬢
いい顔だ
そして目が覚める
そうだ、あの家は家族仲がいいんだったな
弟が跡形もなく消えたと聞いたらどんな顔をするかな
考えただけで激ってくる
よし、行こう
そうだな恐れ多くも王国からの独立を叫んだのだ、その家族も俺自ら討伐しないとな
すぐに軍を編成して...
_ドンドンッ
扉を強く叩かれる
「なんだ!こんな時間に!まだ日も登っていないではないか!」
「陛下!急報でございます!
突然が出現しました!」
「かべえ!?なんだそれ?寝ぼけているのか!」
「腕利の魔法使いでもびくともしない!飛び越えることもできない壁が、見渡すことが出来ないほどの規模で!
おそらくはカウント辺境伯領を囲うように!」
「なんだそれ
どうなっているんだ!」
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