第3話酔っ払いあれこれ

酒を覚えたのは大学生の時。

飲みサーだったので、先輩が酒を奢ってくれる。15人ほどのサークル。

僕はこの頃に、酒飲みの酔っ払い方を学んだ。


取り敢えず、泣き上戸。

小鉢の鶏肉を食べながら、

「……うっ、うっ、ニワトリさんこんな事してゴメンネ。わたしが美味しく……ぅ、うっ食べるからね」

と、お姉さんがそう言って泣いていた。

鶏の唐揚げが出て来ても泣いていた。


次、脱ぎ魔。

「ハイ・ハイ・ハイ、ジャングルファイヤー」

と、叫びながら女子もいるのに、先輩は下半身を露出して、陰毛にライターで火をつけていた。

この人、何をしたいのか?分からなかった。


そして、キス魔。

これは、ゴリラみたいなお姉さんが隣に座るヤツに必ず首に腕を回して、キスをしてくる。僕は、嫌だから、お姉さんより遠い席に逃げた。


これはいけないが、カラミ酒。

飲むと直ぐに隣のサークルの集まりや、若いやつの集団にケンカを吹っかけていた。

ある晩は殴り合いになり、先輩らが止めたが僕はカルアミルクを飲みながら眺めていた。


そして、終電を逃した馬鹿な後輩の我々は、先輩のアパートで、大五郎を飲んだ。氷なし、割るものなし、ツマミなし!

あんな、不味い酒は初めて飲んだ。好きな人がいるから、今も販売されているのだが。

僕は芋焼酎で育った男だから、ケミカルな味の酒は苦手だった。

あれから、20数年。みんな元気で働いているだろうか?

この後は、自分の酒の飲み方も練習して、楽しい酒しか飲まない。


何とも、懐かしい時代でしたね。

今は、パワハラ、セクハラと五月蝿いが、昔の大学生は大五郎だったと思うがどうだか。

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