第十三話 嵐を乗り越える者達
(前日の夜、俺は再び風呂に入って身体を温めた。そして客間を用意してくれた菫の母、小百合に感謝と屋敷を飛び出した事を謝罪した後に、菫の母、小百合からおにぎりを手渡される)
お夕飯食べていないのですから、しっかりお食べなさい、岬が生きていたら、きっと同じ様に叱ったと思います…
(母の名を語りながら、寂しそうな表情を一瞬見せたのを俺は見逃さなかった。そして小百合に感謝して、おにぎりが包まれているお皿を受け取り、客間に入った)
まさか、この地が母さんの故郷だったとはな…
(心の中で山の神々に母さんの事を知っていたのかと問うと、何故か神々は返答をせずにいた。そして一言だけ、語り掛けて来てくれた)
≪明日、北条家に訪れた時に澪、其方は真実を知るであろう。この地に辿り着いた事は、決して偶然ではなかったと知るであろう。今はこれだけしか語れぬ事を御許し頂きたい…≫
(山の神々は深刻な感じで語り掛けて来た。その深刻な口調から、何かがあるのだなと理解した。俺は布団に入り、その日は眠りについた)
(一方その日の深夜に菫の祖父、東雲厳は、とある場所に電話をかけていた)
…うむ、お主の娘の子供がこの村に訪れている。明日そちらにわしと小百合、菫も同伴の元、そちらに向かうが宜しいかの…
(電話の相手は、北条家の第五代当主の北条時生だった。その者は南雲岬の実の父親だった)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます