第十一話 開花の序章
(何故、東雲菫の母、東雲小百合が涙を突然流し始めたのか結局理解出来ないまま、俺は風呂を済ませ終わると、夕食の場所に連れて行かれた。その場に到着すると、東雲家の者達が大勢食卓を囲んで座っていた。その中から一人の男性が立ち上がると、俺の元に近寄ってきて名を名乗って来た)
菫の父の東雲巌雄と申します。何卒よろしくお願い申し上げます
(今度は菫の父親が名乗って来る。その父親にも母親同様に名前を名乗ると、ビックリした表情をした後に、母親である小百合の顔を見た様だった。その時に、小百合は無言で頷くと、巌雄は納得した様に席に戻り始める。その背中に俺は意を決して語り掛けた)
待って下さい!!俺の家の南雲家と東雲家、何かあるんですか?!
(その言葉に応えたのが、東雲家のお館様でもある、厳の爺さんだった。爺さんは俺と菫を連れて、爺さんの部屋に案内されると、少し古い写真を取り出して見せてくれた。そこには若かりし頃の俺の母親、南雲岬が写っていた)
なっ…なんであんたが!!俺の母親の写真を持ってんだよ!!
(冷静に写真を見ると、其処にはさっき食卓の場にもいた、東雲小百合の若かりし頃の写真が写っていた。それを見た菫も、驚いた表情をしていた。そこから爺さんは語り始めて来た)
お主の母、南雲岬と私の娘、東雲小百合は親友であったのだよ。そしてあの日…私達は葬儀に訪れておる
(その言葉を聞いた俺は東雲家の屋敷を飛び出し、土砂降りの雨の中を飛び出していた)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます