第六話 真実の神との友情の始まり
≪この者を山へ招いたのは我ぞ。責めるのなら、我を責めよ!!≫
(意識帯を残しながら山の神の言葉を聞いていた俺は、霊的な者が守ってくれている事に、驚きと共に微かな喜びを感じ始めていた。今までの俺は、霊的な事を口にする度に信じられずに来た。それは歳を重ねるにつれて、自らの言葉そのものも信じられなくなっていた。否定を繰り返されて来た俺は、自らの言葉も嘘なのだろうと思い始めていた。だが今、目の前に霊的な存在が、有権者、そして東雲のお館と呼ばれる爺さん達に、物凄い剣幕で語り掛けていた)
≪なぜ、あんたは俺の事を守ろうとするんだ?!見ず知らずの俺の事をなぜ、必死に守ろうとする?村の者達に嫌われたら信仰心が薄まるんだろ?≫
(俺の言葉に、山の神たちは暖かな笑みと一筋の涙を溢して語り掛けて来た)
≪私達は既に先ほど出会っている。そして言葉を交わしているのですよ?その御方を助ける事は、いけない事ですかな?≫
(数々の地で、霊的な者達に忌み嫌われて来た俺にとって、この者の言葉は身心に深く届く言葉だった。そして、この者は今までの各地で出会って来た霊的な存在とは、まるきり違うのだと理解出来た。その時だった。有権者と東雲家の者達が恐る恐るこの神に語りかけた)
お前は誰だ?!先ほどと口調もまるっきり違う…お前は何者だ!?
(各地の町民や村民達に、散々気味悪がられて来たセリフをここでも聞けるとは、と感心しながら山の者の受け答えを静かに聞いていた)
≪山の神、其方らが毎年大事にしている、山の者よ…。今、我はこの御方の肉体を通して、其方らに語りかけておる≫
(山の神の言葉を聞いた有権者達は、とても信じられない、と言った顔で俺達の方を見て来ていた。そして、東雲家の爺さんと菫だけは、真剣な眼差しで俺達の事を見つめて来ていた)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます