先輩にデートに誘われた

日曜日に、広告部の先輩と映画を観に行った。

先輩に誘われて。

アニメの好きな先輩。

わたしも好きだったし。


先輩は大学の頃はフェンシングをやっていたらしい。

フェンシング部の人とは初めて会った。

ちょっと変わったことをやりたいような先輩だ。


ハンバーガーを食べながら映画を観た。

始まってるのに、パクパク食べてるわたしを見て、笑っている。

月曜日に、広告部でみんなに言われそうな気した。


先輩は、会社の仕事で打ち合わせに出掛けると、いつも必ず、何かしらおみやげをわたしに持って帰ってきてくれる。

広告関係の仕事でもらってきたグッズだったり、街で見つけてきた可愛いグッズだったり。


映画のあと、レストランで飲んでいた。

わたしは、あまり飲めないから、ちょっとだけ飲みながら、つきあっている。

「カルーアミルク」

って言おうと思ったら、なぜか

「牛乳」

って言ってしまって、お店のお姉さんも笑ってくれた。


先輩はめっちゃ飲んでる。たまたま、近くの席に大学の友達を見つけたみたいで、その友達は可愛い彼女といっしょだった。

友達のテーブルまで行って、小皿に乗ったピーナッツをパラパラ~って、ばらまいていた。


酔っぱらってて、何を仕出かすか、あぶない感じだった。まわりの雰囲気も、わたしに何とかしろって感じだ。わたしは先輩のところに行って

「もどりましょうね」

って言いながら、先輩をわたしらの席に引っ張って行った。


翌日、案の定、先輩は広告部のみんなに、

わたしは映画始まってるのにハンバーガーをパクパク食べてるって、笑いながら言っている。

「べつにいいやんか~」

って、わたしは思ってたけど、ちょっとだけ音をガサガサたててたから、それで言ってるんだろうなって思た。


そのかわり、飲んで酔っぱらってる時の自分の行動は何も覚えていない先輩だ。

内田先輩。カッコいい。

いつも、スーツの上着を脱いで、手に持って肩にかけて、颯爽と歩いてる。足も長い。

先輩になら抱かれても良いって思ってる。でも先輩はわたしのことは、たぶん可愛い後輩として見ているんだろうな~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る