第18話 世界龍ボルディアside
自身が怒らせてはいけない存在を怒らせることになるなんて1ミリも考えていない世界龍ボルディアは陣の家であるリンの上空までやってきた。
『あれじゃな至高ランクスキルを持つ人間に勝った家は』
世界龍ボルディアはどこにいようとも世界で起こっているすべての出来事を見聞きすることが出来る。
『うーむ・・・確かに変な家なのじゃ・・・星の生まれから生きておる我が知らん家とは・・・さすがは転生者じゃな・・・』
世界のすべてを知れる世界龍ボルディアは陣が別世界からやってきた事も察知していた。
『見た目が変ならば感じる力も変じゃな・・・試してみるかのう・・・』
世界龍ボルディアはリンの目の前まで急降下。そして自身の最強の技でリンを試すことにした。
『少しは遊び道具にはなるかのう?・・・
ボガアアアアアアア!!!!
世界龍ボルディアは自身と同じ金色のブレスをリンに向かって放つ。その威力はゼルベルトが聞いた噂通り星の破壊もやろうと思えば可能な威力を持っていた。
自身が強すぎるあまり退屈していた世界龍ボルディア。故に遊び相手が欲しかった。しかしならばこそ星を破壊できる世界最強威力の
普通ならばどんな建物もランク9や10の魔物でも至高ランクを持っている人類でも触れれば破壊されるのが
しかし家を丸ごと飲み込んでいる金色のブレスはリン自身は問題が無いとしてもリンの傍で耕した畑はすぐに跡形もなく消え去った。
しかし当の本龍はその事を把握していないし周りに気を遣うなど考えたこともない世界龍ボルディアは真の世界最強の逆鱗に触れた。
『ふむ・・・まさか我の
バサァ!!
次の攻撃をしようと考えた世界龍ボルディア。しかし突如として家の壁が襲い掛かってきた。
なんとか察知した世界龍ボルディアは瞬時に上空に逃げる。
『なんというスピードじゃ!?今まで見ていたものとは比べられん!?』
上空を逃げる世界龍ボルディア。しかしそれを先端を尖らせて追いかけるリン。リンの壁が追いかける速度は陣の怒りに呼応されたのかゼルベルトの時の比ではない。
仮にも元世界最強はスピードも世界トップレベル。世界龍ボルディアのスピードに追い付けるモノなど数える程度しかいない。なのにも関わらず全力にて逃げ続ける世界龍ボルディアにリンはもう少しで追いつこうとしている。
『ならばこれでどうじゃ!
迫る壁に重力を自在に操作する
『これならば!・・・・・一切弱っておらんのじゃが!?重力さえも効かんのか!?』
世界龍ボルディアを最強たらしめていた
こんな事態は星の誕生から何億年何兆年と生き続けている世界龍ボルディアをして初めての事であり生まれて初めて混乱し初めて恐怖した。
『く!?来るでない!?わ!?我は世界龍ボルディアであるぞ!?最強なのじゃぞ!?』
いつもならば3つあるどれかの技を使えば問題なかった。過去には世界龍ボルディアと対等に戦ったモノも存在したが一切効果が無いモノは存在しなかった。
故に焦り恐怖をし手当たり次第に雷をぶつける。そして本格的にリンの範囲外に逃走を図ろうとした世界龍ボルディア。しかしマスターの陣の命令をリンが完遂しないわけがなかった。
リンの範囲はそこまで広くない。故に世界龍ボルディアはすぐに逃げれると思っていた。そんなところに地面から床が伸びてきた。
グサッ!
『ガアア!?』
地面から伸びてきた尖った床が世界龍ボルディアの身体を貫通した。仮にも元世界最強。その身体の硬さはもちろん世界トップクラス。しかしそんな世界龍ボルディアの身体をまるで紙のように貫いて見せたのがリン。
さらにリンの攻撃はそこでは終わらない。
『こ!?この我が!?痛みを!?なぜじゃ!?あの家はなんなのじゃ!?ギャアアアア!?』
世界龍ボルディアの身体を貫いた床が分岐して体内を破壊していく。逃げようにも地面から出てきた床に縫い付けられたかのように動けない。
痛みによりのたうち回る世界龍ボルディア。
『こ!?降参じゃ!?悪かったのじゃ!?謝るから許してほしいのじゃ!?』
それは家のリンの中にいる家スキルの所有者である陣に聞こえるように大きな声で言った世界龍ボルディアの敗北宣言だった。
ここに正式に世界最強は陣の家スキルのリンとなった。
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