第7話 ギーレモ軍vsリン

我が家にギーレモ公爵が10万規模の軍隊を率いて侵攻してきているとも知らない陣はテレビにてバラエティー番組を見ていた。


「アハハハハ!」


そんなお昼時にギーレモ公爵はやってきた。


よほど自身の領地に無断で家を建てた陣が許せないのか、これほどの規模で侵攻すれば負けるわけがないとをしているのか。


通常これほどの規模の軍隊を動かす場合は大体が他国との戦争のため国の許しが必要となる。

しかし今回の敵は自領内にいるために報告をしなかった。その為これほどの速さで侵攻を開始できた。


10万規模の軍隊を指揮しているジーノとは違う騎士隊長にギーレモ公爵は指示している。


「ラハート騎士隊長!犯罪者はあの奇妙な家の中にいる!即刻破壊せよ!」


そう言われたラハート・アイデン騎士隊長。しかし少し難色を示す。


「しかしまずは投降を命じるべきでは?それにジーノたちが言うには「うるさい!黙れ!」!?」


ラハートが言い終わる前にギーレモ公爵は言葉を遮りラハートを叱責。


「我輩のモノに手を出す輩など即刻死刑に決まっているであろう!そもそも貴様は誰に向かって口答えしている!我輩はギーレモ公爵である!たかが騎士風情ふぜいが口答えするな!」


その叱責にラハートは思うところはある物の公爵の指示に従うことにした。


そしてラハートは10万規模の軍隊に向かって指示を送る。


「では!これよりあの家の破壊を執り行う!まずは魔法部隊前へ!」


そのラハートの指示で前にやってくる魔法部隊。その規模は数万程。


「順次魔術を発射せよ!魔術用意!・・・発射!」


ラハートの一言でそれぞれの魔法の属性で分かれた魔法部隊が属性ごとに魔術を放つ。


「「「ファイアースピア!」」」

「「「ウォータースピア!」」」

「「「ウィンドスピア!」」」

「「「ソイルスピア!」」」


火の槍・水の槍・風の槍・土の槍が順次何百本と家に向かって放たれる。


どのような堅牢な建物であろうともこれだけの数の魔術をくらえばさすがに少しの損傷は起こるはずである。しかし煙の晴れたそこに立っている家には全くと言っていいほど壁や屋根は欠けてすらいなかった。


「・・・バカな・・・メ―チャイの魔技を防いだとは聞いていたが・・・これほどまでに堅牢だとは・・・」


まさかの結果に呆気に取られているラハート。しかし横にいる欲深バカは怒りがさらに増幅されている。


「何をやっているラハート!!あれだけの魔法を放ってどうしていまだにあの家が建っている!!」

「・・・申し訳ございません・・・」


今のギーレモ公爵に何を言っても"口答えするな!!"と怒られるだけだろうと判断したラハートはただただ謝罪した。


「我輩を舐めているのか!!さっさとあの家を破壊しなければ貴様から処刑するぞ!!」

「申し訳ございませんギーレモ公爵様。では次は私が魔導で攻撃いたします」

「最初からそうしていろ!!この間抜けが!!」


魔導とは上位スキルに当たる魔法。ジーノが剣聖の上位スキルを持っていたように騎士隊長は別格の力を持ち、ラハートが放つ魔導は何万人もが放った先ほどの魔術よりも圧倒的な威力を誇る。


「・・・・」


一歩前に出るラハート。後ろではギーレモ公爵がイライラした面持ちでラハートを見ている。


しかしラハートは内心では上手くいかないだろうと考えていた。それでも命令通りに自身の一番威力のある魔導を放つラハート。


「・・・ライトニングフォールン!」


それは風属性の魔導。上空より一軒家のリンが余裕で入るサイズの雷が振り下ろされる。


ドロゴーン!!!!


特大な雷が家に振り下ろされ離れた位置にいた騎士たちも思わず耳を塞いだほどの轟音が鳴ったラハートの一撃。


煙が立ち込めていて家がどうなったのかはまだ判断できていないがギーレモ公爵は破壊したと判断してラハートの元へ向かう。


「まったく・・・口答えせずに最初から私の指示に従っていればよかったのだ・・・我々貴族が指示せねば何もできないクズだと認識せよ・・・」


そうラハートに何を言っているのかよく分からない事を言いながら近づいていくギーレモ公爵。終わったと他の大多数の騎士も思っていた。ラハートのライトニングフォールンをくらっては欠片すら残らないだろうと。


しかし一部の騎士は気付いていた。あれでは終わらないことを。


「・・・ギーレモ公爵様・・・退いたしましょう・・・」

「・・・ん?撤退だと?貴様何を?」


ギュン!


それは煙の中を進んできただった。


リンは現在楽しそうに笑っているマスターの陣を妨げることはしたくなかった。故に魔法による音も光もすべてを遮断して外の状態を感づかれないようにして外の対処をすることにした。


伸びた外壁を先頭にいるラハートに向かって腹へ一撃。


「ガハッ!?」


魔法使いだとしても仮にも騎士隊長としての実力のあるラハートが反応すらできずに吹き飛ばされる。


「・・・は?・・・」


呆然のギーレモ公爵。そして次々とリンは騎士たちに攻撃を仕掛けていく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る