第4話序章

「薄々ね、」軽い口調だな・・・。

「覚えているわ。」恒子の生前と比べると応答も早い。

 こんな調子で恒子のルーチンは続いていた。

 そういえば恒子と僕は生前、高校の同窓会「それから」で、再び巡り逢った。

 高校を卒業してからの43年振りの快挙だった。

 でもそれは、手放しで二人の再会を祝える状況では無かったのだ。

 

 山瀬恒子(やませつねこ)の魂への抱擁は煌めく涙と為り滝川となった。

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